今年の2月、平成28年度の
不登校児童生徒数の確定値が、
文部科学省より発表されました。
調査結果によると、
小中学校における長期欠席(不登校等)の児童生徒数は、
133,683人であるとされています。
こうした子どもたちの状況を踏まえ、
フリースクールの在り方や必要性について
少しお話ししたいと思います。
平成28年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(確定値)
平成27年度の小中学校の
不登校児童生徒数は125,991人であり、
1年間で約8,000人増加していることがわかります。
平成28年度においては、
小学校で30,448人(前年度27,583人)、
中学校では103,235人(前年度98,408人)
が不登校であると調査結果が出ています。
人数の増加数は中学校の方が多いものの、
割合から行くと小学校の方が多いことがわかります。
平成28年度、学校外の機関での相談人数は42,219人、
うち学校から出席扱いとして認められた人数は
19,684人である、とのことです。
以前のブログで少し解説させていただきましたが、
フリースクール等学校外の機関での活動が、
学校長により出席扱いとして認めてもらえるというケースがあります。
しかし上記からわかるとおり、
不登校児童生徒への学校外教育の浸透が進んでいるとは言えず、
出席への振り替えも15%程度にとどまっています。
ここに該当しない子どもたちの多くには、
学校に行けずにいる期間をどのように過ごしているのか、
どのようなケアがなされているのか、
学習活動はどのようにしているのかなど、
支援が行き届いていなかったり、
非常に不透明だったりする点が数多くあるのが現状です。
様々な理由により学校に通えなくなってしまう子どもたちにとって、
「学校を休む」ことはとても勇気のいる決断であり、
心の安定や休息のためには必要であると、
我々は広く受け入れていくべきでしょう。
しかし、その間も時は流れており、
子どもたちは大人への階段を上っているのも事実です。
学校に通えずにいる時間をどのように過ごすかは、
その子が社会自立への道を進むうえでも大変に重要
であると言えるでしょう。
そこでカギになるのは、
やはり学校と学校外の連携ではないでしょうか。
学校だけでは解決の難しい課題に対し、
学校と学校外とが密接に連携し、
その子にとって本当に必要な支援を行なっていくことが、
子どもの社会自立に向けた第一歩になるのではないかと思います。
そしてその選択肢の一つとして、
フリースクールなどの学校外教育の場に、
大きな可能性を感じられます。
フリースクール等の学校外教育が学校と深く連携し、
不透明な点を解消することで、
これまで行き届かなかった支援の手を広げ、
個々に対する有効な支援方法や新たな課題を発見
しやすくなるのではないかと思われます。
時代背景に伴い、教育的ニーズが変わりつつある現代において、
何のため、誰のためかを見定めた、
大人からの押し付けにならない柔軟な教育活動を、
より広い視野で考えていきたいですね。
以上、フリースクールの在り方や必要性についてのお話しでした。
イラスト:ニョラネコ