映画「フォレストガンプ」から障害を考える

筆者の大好きな映画の一つに、「フォレストガンプ」があります。

1985年に発表されたこの作品は、トム・ハンクスの演じる主人公「ガンプ」の半生を、

アメリカの歴史を交えながら描くストーリーです。

主人公のフォレスト・ガンプは知的指数が低く、

脚装具も身につけていますが、

母親はそれを特別扱いせずに彼を育てていきます。

というわけで、今回は

映画「フォレストガンプ」から

障害について考えてみたいと思います。

作中のあらゆるシーンに、ガンプの個性が色濃く描かれています。例えば、
・笑ったりするなどの表情をあまり出さない
・スクールバスに乗れない
(親から「知らない人の車に乗ってはいけない」と言われていた)
・アメリカ陸軍に入隊。銃の組み立てが誰よりも早い
・悪気はないのに、意図せぬところで人を怒らせてしまう
・臀部(おしり)にある被弾の痕を見せてほしいと言われ、人前で勢いよくズボンをおろしてしまう
・過去に起きたことを時系列順に詳細に覚えている
などなど。思い出しながら書いているだけで、また観たくなってきます(笑)
当時の表現としては「知的障害」と描かれていましたが、

一概には言えないものの、これらの特徴からガンプは

「自閉症スペクトラム」なのでは、とも考えられます。
※詳細は、「自閉症とは①」のブログに掲載しております。

自閉症とは①

一般の学校に入学ができたことから、

特別支援学校(養護学校)のような特別な支援が必要なほど障害がある、

というわけではなさそうです。

特定分野での人並外れた記憶力や能力、

言われたこと(ルール)に忠実に従う点などからも、

「自閉症スペクトラムなのでは」と考えることができます。
ちなみに、陸軍でできた親友「ババ」も、

実家のエビ漁に関しての知識がものすごく、

訓練中や掃除中にも延々とエビ料理について語っている場面がありました。

共通の感覚があったからこそ、二人の相性は良かったのかもしれません。
印象的なシーンは数多くありますが、

ここで光るのはガンプの「母親の愛」、

ガンプを認め受け入れる「仲間たちの愛」ではないかと思います。

人と違うことに対し特別扱いしせず、

ガンプの持つ優しさやひたむきさを認める点に、

ヒューマンドラマならではの温かさが感じられます。

そして、周囲と少し違った特性を持つガンプが、

あらゆる場面で輝けている点からは、

それぞれのもつ特性のポジティブな可能性を見出すこともできます。
たとえ人と違う「特性」を持っていようとも、

それを理解し受け入れ、特性があろうがなかろうが

すべての人が公正に生きていける世の中であれば、

そもそも「障害」という概念は必要なくなるのかもしれません。

フォレストガンプを観て幼心ながらに覚えた感動は、

大人になり様々な特性があることを知ってから、

り深いものとなりました。

皆さんも機会があれば、角度を変えて観返してみてください。

以上、映画「フォレストガンプ」から障害について触れてみました。

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