前回のブログでは「発達障害」について解説しました。発達障害の種類は複数存在し、
その種類によって対応の仕方、支援の仕方も変化してきます。
今回は、その種類の中から「自閉症」について取り上げたいと思います。
自閉症の特徴としては、
1. コミュニケーションをとることがうまくできない
・目を見て話すことをしない、できない
・親になつかない、感情を表さない
・相手に合わせて行動したり、場の空気を読むことが苦手、など
2. 言葉をうまく使うことが苦手
・言葉をオウム返しする
・言葉の意味を理解していない
・ブツブツと独り言を言うことが多い、など
3. こだわり行動が多い・常に体(の一部)を動かしている
・意味もなく手をひらひらさせたり、叩いたりする
・ぴょんぴょんと飛び跳ね続けている
・一つのことを飽きずにずっと続けている、など
4.急な変更が苦手、一部の感覚が過敏
・急に予定が変わるとパニックを起こす、予定がわからないと不安になる
・触られることを嫌う
・好き嫌いが激しい、偏りがある、など
などの症状が現れやすいとされています。また、自閉症の子供の多くには、
知能指数IQが70以下となる知的障害が伴うこともある
と指摘されています。
しかしこれも一概には言えず、近年では「高機能自閉症」という
知能が比較的高く、物事の理解ができる軽度の自閉症も確認されています。
自閉症という言葉には「閉じる」という文字が入っていることから、
心を閉ざしている病気と誤解をされがちですが、そうではありません。
「自閉」という言葉は、スイスの精神科医ブロイラーが、統合失調症の病態理解の中心にある
「痴呆(外部との隔絶、あるいは外界からの撤退)」の概念を説明する際に使用したことが始まりです。
以前は親のしつけに問題があると誤った認識がされてきましたが、
現在では「何らかの脳機能障害が原因である」と考えられています。
自閉症の特性を持っている場合、言葉の意味を理解していなかったり、
急な変更に弱かったりすることで、
社会生活に大きな支障をきたしてしまうことが多いとされています。
反面、他の人とは違う感覚を持っているからこそ、
音楽や絵画などの芸術的な才能に突出している(一度聞いた音楽をすぐ演奏できる、色使いが独特など)
計算能力や記憶力がずば抜けている(暗算が一瞬でできる、同級生の誕生日を全部覚えているなど)
など、素晴らしい才能を持ち合わせていることも多くあります。
つらい部分にだけスポットを当てるのではなく、
それぞれの持つ個性や輝きにもしっかりと目を向けたいですね。
ちなみに、筆者には自閉症の親戚がいるのですが、
皿洗いに夢中になるという、とても嬉しい(?)こだわりを見せてくれたのですが、
あまりにも毎日熱心に洗い物をするせいで手がボロボロになったため、
一時的に皿洗いをストップさせたところ、ストレスで円形脱毛症になる、といった
ハプニングが起きたことがあります。
次回は、自閉症の子どもへの配慮や対応の仕方について解説します。
イラスト:ニョラネコ
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