さて、前回は「自閉症」の特徴などについて解説しました。
過敏な感覚ゆえに日常生活に支障をきたしてしまうことも多くある自閉症の特性ですが、
症状がわかるからこそ対策が打てる、というものです。
今回は、家庭や学校などでできる自閉症の特性への配慮と対応方法について解説します。
・言葉の意味を理解していない場合
→遠回しの表現や比喩、または長い文章などで説明するよりも、短い言葉で端的に伝える
×「外から帰ったら手を洗ってうがいしてすぐに宿題しなさい」
〇 ①「帰ったらまずは手を洗おう」 ②「次にうがいをしよう」 ③「終わったら宿題をしよう」
…いっぺんに話さず、短い文章で一つずつ順番に伝えましょう。イラストや写真などで伝えると、よりGoodです。
・予定がわからないと不安になる場合
→予定表を作成するなど。予定が変更になる場合は、なるべく早く知らせる
×「明日は朝からどこかでかけようか」
〇「明日は10時には家を出て、映画を観に行こう」
…次に何をするのかがわかることで安心できます。
・一つのことにこだわり、次の工程に進めない場合
→全体で行動する必要があるときなどは、回数や時間などで行動の区切りを設定する
×「もう終わりにして、早く行くよ」
〇「(事前に)〇時になったら(時計の長い針が〇に来たら)終わりです」
…丁寧な仕事が要求される掃除や反復作業は、一生懸命取り組んでくれます。
・パニックを起こしてしまった場合
→まずは落ち着ける環境へ移動。落ち着くまで待ってから事情を聞く
×「静かにしなさい!」「いいから座りなさい!」
〇静かな(周囲から影響のない)場所へ移動→落ち着いたら褒める→事情を聞く→振り返り
…大きな声や抽象的な支持を出しても耳に入りません。まずは落ち着かせることを第一に。
例えばこのような対応が挙げられると思います。
危険行為や他の人の迷惑にならない場合、ある程度は大目に見てあげましょう。
注意をするときは、「端的に、具体的に」を心がけます。
もちろん、人によって個性や特性に違いは出てくるものです。
個に合った支援の方法を探していくことが大切です。
また、前回の記事でも触れた通り、
個性や輝きを発見していくことも忘れずに。
以上、自閉症の子どもへの配慮と対応の仕方について解説しました。
イラスト:ニョラネコ