神童・モーツァルトが持って生まれたもの

クラシック音楽の代表的な音楽家として世界中に知られているモーツァルト

彼が生まれ持った類まれな才能は、世界に激震を与えました。

モーツァルトの名を知らない人はいないといっても過言ではないでしょう。

また、私たちもあらゆる場面で彼の書いた曲を耳にしていることと思います。

今回は少し趣向を変えて、そんな偉大な音楽家の一面に触れながら、

子どもたちのことを考えてみたいと思います。

彼の正式な名前は、「ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト」。

1756年にザルツブルグ(現在のオーストリアの都市)で生まれ、幼いころより

父親から英才教育を受けてきました。3歳のころにはチェンバロを弾き始め、

5歳の時には最初の曲を作曲します。

父親と共に音楽旅行を重ね、宮廷などで演奏を披露し大絶賛されました。

トルコ行進曲」や「フィガロの結婚」などの代表曲を作曲した後、

626曲目の「レクイエム」の作曲に取り組んでいる途中、35歳という若さで短い生涯を終えます。

 

一度聞いた曲をすぐにピアノで弾いたりアレンジしたり、

目隠ししながらピアノを奏でたりと

彼の音楽の才能は誰もが認めていました。また、600曲を超える曲の数もそうですが、

彼の楽譜にはほとんど書き直した跡がありません

試行錯誤しながらの作曲ではなく、

頭の中に思い描き完成した楽譜をそのまま譜面に起こすという、

常人離れした才能によるものだと言われています。

このような音楽の才能に恵まれたモーツァルトには、

独奏のトランペットに異常な恐怖心を抱いていたり、

幼稚な言葉や下品な言葉(いわゆる下ネタ)を好んでいたりする

などの一面もあったと言います。

(今流行りのウ〇コ漢字ドリルなんかは、特に大好きだったと思います.笑)

音に関しては特に敏感で、

ヴァイオリンの音色を「バターみたい(柔らかい音色なので)」と表現したり

演奏の中でのわずかな不協和音にも反応し、

どの楽器がどのようなミスをしたかが把握できたりと、

いわゆる「ギフテッド」のような特性ともとれる才能を発揮したのです。※今後解説予定

 

彼の能力のアンバランスさや言動を考えると、

脳の発達段階において何らかの特性を抱えていた

と考えても良いと思われます

音に対する感覚が人と違うことによって、

様々な生きづらさを感じていたと同時に、

幼いころから音楽に触れられるという環境があったことにより、

彼の個性と才能を最大限に発揮することができたことは、

彼にとって何よりの救いであり、世界に多大な財産を残すことになりました。

現代の不登校や発達特性を抱えた子どもも含め、

すべての子どもたちに輝ける可能性があるということを、

私たちは知っておく必要があります。

そうした才能や可能性を見出すためにも、

子ども達と親身に関わり、理解することが大切です。

 

未来のモーツァルトは、もしかしたら身近な誰かかもしれませんね。

 

イラスト:ニョラネコ

アスペルガー症候群とは②

前回のブログでは、「アスペルガー症候群」について解説しました。

知的な遅れを伴わない傾向のため気づかれにくいとされる症状に、

コミュニケーション面で困難を抱えているケースが少なくありません。

では、どのような配慮や対応が必要なのでしょうか。

今回は、「アスペルガー症候群」の傾向にある、特にお子さんへの

配慮や対応の仕方について、いくつか例を挙げて解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

・比喩が伝わらない
→具体的な内容で伝える
×「まっすぐ家に帰りましょう」
〇「寄り道をせずに帰りましょう」「通学路を通って帰りましょう」
…比喩が伝わらない場合は、「こういうことを表現しているんだよ」

と説明を加えて覚えてもらうなど、少しずつ表現の幅を広げると良いでしょう

 

 

・相手の感情を理解できない、直接的に表現してしまう

→「こう言ったら相手はこう感じる(みたいだよ)」ということを教える
×「なんでそんなことを言うの!傷つくに決まってるでしょ!」
〇「□□と言われて、△△ちゃんは嫌だと感じたんだよ。」
…何が原因で相手はどう感じ、結果どうなったのかを理解させることで、

今後失敗を減らすことができます。また、注意をするときは感情に任せるのではなく、

静かに諭すように伝えることを心がけてください。

 

 

・話すのは好きだが聞くのは苦手
→会話の際のルールを決める、話の内容を可視化する
×「人の話ちゃんと聞いてる?」「ちょっとは俺の話も聞けよ」
〇「次は私が話す番ね」「(話が終わったら)じゃあ次はあなたの番ね」など
“質問があるときは手を挙げる”“指名されてから答える”などのルールを貼り出す
…明確なルールがあれば、本人の行動をサポートでき、規範意識も高まりますね。

 

以上のような配慮が考えられます。
一見、課題としてしかとらえられていないことも、
「融通か利かない」→「ルールを順守する意識、正義感が強い」
「物事をはっきりと言ってしまう」→「自分の意見をはっきり言える」
と考えると、これは一つの素晴らしい個性、長所ととらえることができるはずです。
正義感、責任感を生かして何かの役割を任せてあげると、一生懸命取り組んでくれます。

本人の能力を超えるような難しいことをお願いすると、

失敗した際自信を失ってしまうので

まずはちょっと頑張れば簡単にできることを繰り返し、

自信を高めていきましょう。

素直で正義感が強い故にトラブルを引き起こしてしまうのは、

本人としてもいまいち納得のできることではなく、

失敗経験が重なるとどんどん自信を失ってしまう恐れもあります。

子どもならなおのこと、段階を経て、具体的に、少しずつの積み重ねをすることで、

だんだんと社会性が構築されていけば良いのではないかと思います。

以上、「アスペルガー症候群」の傾向にある子どもへの配慮と対応の仕方についての解説でした。

 

 

イラスト:ニョラネコ

アスペルガー症候群とは①

前回のブログでは、「自閉症」について解説しました。自閉症とは、「自閉症スペクトラム」という考え方の中に含まれており、「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害もここに分類されています。

そこで今回は、「アスペルガー症候群」について解説したいと思います。

 

アスペルガー症候群は自閉症とよく似ており、共通した特性が多くあります。

自閉症との違いは、「著しい言葉の遅れ、知的な遅れがない」ということです。

特徴としては、

1.抽象的な表現の理解や、空気を読むことが苦手

 ・比喩が伝わらない

 ・相手の感情を察することができない

 ・暗黙の了解が理解できない、など

2.直接的に表現してしまう、言葉の意味をそのまま飲み込んでしまう 

 ・「その服、似合ってないね」と悪気もなく言ってしまう

 ・「まっすぐ家に帰りましょう」→「曲がり角があるので無理です」などと考えてしまう、など

3.想像力が弱く、予定の変更が苦手

 ・急な予定変更が起こるとパニックになる

 ・高い所に上る→落ちるかもしれない→危険という想像が苦手

 ・二つのことを同時に行なうことが苦手(効率的な動きの想像が困難)

4.コミュニケーションでトラブルを起こしやすい

 ・話すのは好きだが聞くのは苦手

 ・直接的な表現でよくケンカになるが、怒らせた原因を理解するのが困難

 ・会話がうまくかみあわない、など

これらの症状が表れやすい傾向にあります。

言葉の遅れや知的な遅れがあまりないため、比較的普通に接することができるため、

特性を抱えているという風にはあまり思われることがありません。

先の例で、「その服、似合ってないね」と言っても、本人としては事実を言ったまでで、

相手が傷つく、怒るということが想像できず、

トラブルになっても自分が悪いという自覚がないのです。

この他にも、相手の気持ちを理解することが困難なため、

自己主張が強く他者の意見を聞き入れなかったり、

聞くことが苦手で相手の話を聞き洩らしてしまったり、

聞いたことだけがすべてであり事実となってしまったりすることもあります。

そのため、コミュニケーション面でのトラブルが多く起こってしまいがちです。

トラブルが続くことで自己肯定感がどんどん低くなり、

「どうせ自分は…」とふさぎこみ、学校に行かなくなるというケースも少なくありません。

うまくいかない本人はさらに辛い思いをしていることもあるのです。

ここでもやはり、トラブルばかりに目を向けず、良い面もしっかりと認めていくことが大切です。

自閉症と同様、こだわりが強い傾向があるため、

一つの役割を与えることで責任感を持って一生懸命取り組んでくれます。

興味関心のあることの知識や記憶力がずば抜けており、非常に博識だったりもします。

 

では、こうした輝きを伸ばしつつ、どう課題を克服していけば良いのでしょうか。

次回、アスペルガー症候群の子どもへの配慮や対応の仕方について解説します。

 

 

イラスト:ニョラネコ

自閉症とは②

さて、前回は「自閉症」の特徴などについて解説しました。

過敏な感覚ゆえに日常生活に支障をきたしてしまうことも多くある自閉症の特性ですが、
症状がわかるからこそ対策が打てる、というものです。
今回は、家庭や学校などでできる自閉症の特性への配慮と対応方法について解説します。

・言葉の意味を理解していない場合
→遠回しの表現や比喩、または長い文章などで説明するよりも、短い言葉で端的に伝える
×「外から帰ったら手を洗ってうがいしてすぐに宿題しなさい」
〇 ①「帰ったらまずは手を洗おう」 ②「次にうがいをしよう」 ③「終わったら宿題をしよう」
…いっぺんに話さず、短い文章で一つずつ順番に伝えましょう。イラストや写真などで伝えると、よりGoodです。

・予定がわからないと不安になる場合
→予定表を作成するなど。予定が変更になる場合は、なるべく早く知らせる
×「明日は朝からどこかでかけようか」
〇「明日は10時には家を出て、映画を観に行こう」
…次に何をするのかがわかることで安心できます。

・一つのことにこだわり、次の工程に進めない場合
→全体で行動する必要があるときなどは、回数や時間などで行動の区切りを設定する
×「もう終わりにして、早く行くよ」
〇「(事前に)〇時になったら(時計の長い針が〇に来たら)終わりです」
…丁寧な仕事が要求される掃除や反復作業は、一生懸命取り組んでくれます。

・パニックを起こしてしまった場合
→まずは落ち着ける環境へ移動。落ち着くまで待ってから事情を聞く
×「静かにしなさい!」「いいから座りなさい!」
〇静かな(周囲から影響のない)場所へ移動→落ち着いたら褒める→事情を聞く→振り返り
…大きな声や抽象的な支持を出しても耳に入りません。まずは落ち着かせることを第一に。

例えばこのような対応が挙げられると思います。
危険行為や他の人の迷惑にならない場合、ある程度は大目に見てあげましょう。
注意をするときは「端的に、具体的に」を心がけます。
もちろん、人によって個性や特性に違いは出てくるものです。
個に合った支援の方法を探していくことが大切です。
また、前回の記事でも触れた通り、
個性や輝きを発見していくことも忘れずに。

以上、自閉症の子どもへの配慮と対応の仕方について解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ

自閉症とは①

前回のブログでは「発達障害」について解説しました。発達障害の種類は複数存在し、

その種類によって対応の仕方、支援の仕方も変化してきます。

今回は、その種類の中から「自閉症」について取り上げたいと思います。

 

自閉症の特徴としては、

1. コミュニケーションをとることがうまくできない

 ・目を見て話すことをしない、できない

 ・親になつかない、感情を表さない

 ・相手に合わせて行動したり、場の空気を読むことが苦手、など

2. 言葉をうまく使うことが苦手

 ・言葉をオウム返しする

 ・言葉の意味を理解していない

 ・ブツブツと独り言を言うことが多い、など

3. こだわり行動が多い・常に体(の一部)を動かしている

 ・意味もなく手をひらひらさせたり、叩いたりする

 ・ぴょんぴょんと飛び跳ね続けている

 ・一つのことを飽きずにずっと続けている、など

4.急な変更が苦手、一部の感覚が過敏

 ・急に予定が変わるとパニックを起こす、予定がわからないと不安になる

 ・触られることを嫌う

 ・好き嫌いが激しい、偏りがある、など

などの症状が現れやすいとされています。また、自閉症の子供の多くには、

知能指数IQが70以下となる知的障害が伴うこともある

と指摘されています。

しかしこれも一概には言えず、近年では「高機能自閉症」という

知能が比較的高く、物事の理解ができる軽度の自閉症も確認されています。

自閉症という言葉には「閉じる」という文字が入っていることから、

心を閉ざしている病気と誤解をされがちですが、そうではありません。

「自閉」という言葉は、スイスの精神科医ブロイラーが、統合失調症の病態理解の中心にある

「痴呆(外部との隔絶、あるいは外界からの撤退)」の概念を説明する際に使用したことが始まりです。

以前は親のしつけに問題があると誤った認識がされてきましたが、

現在では「何らかの脳機能障害が原因である」と考えられています。

 

自閉症の特性を持っている場合、言葉の意味を理解していなかったり、

急な変更に弱かったりすることで、

社会生活に大きな支障をきたしてしまうことが多いとされています。

反面、他の人とは違う感覚を持っているからこそ、

音楽や絵画などの芸術的な才能に突出している(一度聞いた音楽をすぐ演奏できる、色使いが独特など)

計算能力や記憶力がずば抜けている(暗算が一瞬でできる、同級生の誕生日を全部覚えているなど)

など、素晴らしい才能を持ち合わせていることも多くあります。

つらい部分にだけスポットを当てるのではなく、

それぞれの持つ個性や輝きにもしっかりと目を向けたいですね。

ちなみに、筆者には自閉症の親戚がいるのですが、

皿洗いに夢中になるという、とても嬉しい(?)こだわりを見せてくれたのですが、

あまりにも毎日熱心に洗い物をするせいで手がボロボロになったため、

一時的に皿洗いをストップさせたところ、ストレスで円形脱毛症になる、といった

ハプニングが起きたことがあります。

 

次回は、自閉症の子どもへの配慮や対応の仕方について解説します。

 

 

イラスト:ニョラネコ

発達障害とは

近年、耳にすることが多くなった「発達障害」という言葉。

その種類は多岐にわたり、学校などの教育現場でも対応の個別化をより丁寧に求められています。

今回は、発達障害について簡単に解説したいと思います。

 

発達障害者支援法によると、発達障害とは

「自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、その他これに類する脳機能の障害」

と定義されています。

種類にもよりますが(発達障害の種類に関してはまた次回以降に解説をしたいと思います)、

発達障害を抱えている場合、以下のような困難が生じる傾向があります。

・じっとしていられず、授業中に立ち歩いてしまう

・ボーっとしていて、忘れ物や失し物が多い

・空気が読めず、ケンカになりやすい

・一つのことにものすごくこだわる(興味のあることへの記憶力が抜群)など

障害と聞くと、身体的なハンディキャップをイメージしがちですが、

発達障害は脳の機能の極端な偏り

であり、ぱっと見ではなかなか気づきにくいところがあります。

しかし、文部科学省が平成24年に行なった調査では、

公立の小中学校の通常学級において、

発達障害の可能性のある児童生徒の数は6.5%にのぼる

という結果が報告されています。これは、

40人学級でいうと1クラスに2~3人の割合

ということになります。

発達障害者支援法や障害者差別解消法などの法的制度も整備されつつありますが、

発達障害への理解が進んでいるとは言い難いところがあります。

「本人が怠けているだけじゃないか」

「甘やかしているからそうなる」

「(教師または親が)ちゃんと教育していないからだろう」

言葉だけの認知は広がっても、正しい理解が広がっているとはいえず、

そういった誤解もまだまだ根強く残っています。

・発達障害は脳機能の障害であり後天的なものではないということ

・うまくいかずに困っている本人が「怠慢」「わがまま」と誤解を受けていること

・一生懸命なのに誰にも理解されず、苦しんでいること

これらの理解がより多くの方に広がっていくことが大切だと思います。

発達障害を抱えた子どもたちは、

他の子ども以上に繊細で敏感な感覚を持ち、

純粋がゆえに傷つきやすい心

も同時に持ち合わせている子も少なくありません。そして何より、

他の子どもと同様に、素晴らしい可能性を秘めているということ

も忘れてはならない所ですね。

 

次回以降、発達障害の種類について解説していきます。

 

イラスト:ニョラネコ

芸能人と不登校

不登校という言葉を聞いて、良いイメージやプラスの感情を

抱く方は、そう多くはないと思います。

不登校傾向にある子どもにとって、学校へ行かないことに対する

コンプレックスは、保護者の方が感じている以上に

大きなものだったりします。

そこで今回は、不登校をあえてプラスにとらえる話題として、

「芸能人と不登校」についてお話ししたいと思います。

 

テレビドラマや雑誌などで、華々しく活躍する芸能人。

その輝かしさは多くの人を魅了し、感動させ、元気を与えてくれます。

そんな芸能人の中にも、実は不登校経験者が多くいることがわかっています。

 

不登校経験を公表しているのは、

・マツコ・デラックスさん(タレント)

・指原莉乃さん(歌手 HKT48)

・星野源さん(俳優・歌手)

・藤田ニコルさん(タレント・モデル)

・千原ジュニアさん(お笑い芸人)

・西田敏行さん(俳優)

・宮崎哲弥さん(評論家)

などなど…この他にもたくさんいらっしゃるようです。

 

現在のメディアでの活躍からは、不登校というネガティブなイメージとは正反対の方々。

不登校の原因の多くは、

いじめ、コミュニケーションの不和、劣等感や発達障がいなど

様々ですが、現代の不登校の原因・要因と何ら変わらないのです。

そのような過去からここまで活躍できるようになったのは、

・理解者となってくれる先生と出会えた

・自分のやりたいことが見つかった

・自分の居場所が見つかった

・歌の歌詞に救われた

など、自分が変わるきっかけを見つけた(見つかった)ことが大きいようです。

 

程度の差はありますが、人生につらい経験はつきものです。

不登校傾向にある子どもには、いきなり「学校に行きたい」とまではいかなくとも、

心のどこかで「まずいなぁ…」「どうにかしなきゃ」と

前向きに考えています。事態を変える意思はあるのです。

そのきっかけが何になるかは、その子によって多種多様です。

普段とは違う相手に相談をしたり、少し時間を置いて休んだり

気分転換に家族で出かけたりすることで、

もしかしたら何か変化するかもしれません。

不登校になってしまったときは、一度落ち着くまで休み、

改めていろいろなことに目を向けて、

前に進むきっかけを探してみてはいかがでしょうか。

 

 

フリースクールとは②

前回の「フリースクールとは①」では、主にフリースクールとはどんなところかをご説明しましたが、

今回はフリースクールに通うことのメリットについてお話ししたいと思います。

 

学校から足が遠のく、いわゆる不登校の状態になってしまうと、

「早く学校に行かなきゃ」「欠席日数が多いと通知表が…」

など、不安も大きくなることでしょう。そんな折に、

「学校に通わずフリースクールに通っている場合じゃないのでは?」

と考える人も少なくないと思います。しかし、ご安心ください。

フリースクールの多くは小中学校と連携している場合が多く、

フリースクールに通った日は在籍している学校の出席として認めてもらえる

という制度もあります。

これは、フリースクール側がそこでの学習状況を学校に定期的に報告をし、一定の条件のもとに校長が認めた場合に限りますが、ほとんどの小・中学校が出席を認めています※1。ただし、義務教育を終えた高等学校は難しい場合もあります。

では、実際に通い始めるとした際、

「電車で何駅か離れている」「通学費だってかかるし…」

そんな心配もあることかと思います。しかし、上記のようにフリースクールと在籍している学校が連携をし、出席扱いが認められれば、

通学定期乗車券制度を使用することができる

のです※2

登校するペースは、フリースクールと家庭で話し合い、本人の様子から見て総合的に考えることになりますが、

仮に週5日通うとしたら、これは使わない手はありません。

ただし、週に1日などスモールステップで始める場合などは、定期券を購入すると逆に高くつくこともあるのでご注意を。

そして、フリースクールの多くは少人数制であり、40人学級のような

大人数のクラスではなかなか目の届かない範囲まで、スタッフが目を配ることができます。

少人数であれば、集団が苦手な子どもでも安心して通うことができますね。

また、不登校になる背景には「発達障害」を抱えているケースも少なくありません。

少人数であれば、子どもたちの抱える特性によりきめ細やかな配慮が可能となるほか、

フリースクールの職員には

特別支援に関する専門知識を持った職員が在職していることも珍しくありません。

あとは、そのフリースクールが子どもに合うかどうかです。

前回も述べた通り、場所によって取り組みや規模は様々ですし、解決すべき課題も存在します。

今後は、いかにフリースクールと学校・教育委員会が、互いに連携しあう姿勢を積極的に作れるかが大切なのかもしれませんね。

 

以上、フリースクールに通うメリットについてお話ししました。

 

イラスト:ニョラネコ

 

※1「不登校への対応の在り方について」平成15年5月16日 文部科学省 通知

 「高等学校における不登校生徒が学校外への公的機関や民間施設について相談・指導を受けている場合の対応について」平成21年3月12日 文部科学省 通知

※2「不登校児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」 平成21年3月27日 文部科学省 通知

フリースクールとは①

前回のブログでは、不登校について解説しました。

不登校、つまり学校に行かない日が続くようになった場合、

 

「勉強はどうしよう…」

「友達がいなくなってしまはないか不安…」

「このままずっと家から出ない生活になるになるのでは…」

 

このような不安を感じる人がほとんどです。

そんな子ども達のための居場所として、フリースクールというものがあります。

そこで今回は、フリースクールについて簡単に解説しようと思います。

 

フリースクールとは、大まかに言えば

“何らかの理由で学校から足が遠のいてしまった児童・生徒が集う場所”

という認識をもっていただければと思います。対象は主に小・中学生ですが、高校生を受け入れている場所もあります。

そもそもフリースクールには、「これをしなさい」「こうしてください」といった定義はなく、運営母体も、我々のようなNPO法人や民間企業、学校に併設している場合もあります。

ちなみに、フリースクールに似た団体として、フリースペース、適応指導教室、サポート校なんてものもありますが、

フリースペース…主に居場所としての役割

適応指導教室…不登校児童生徒の学校復帰を目指す、市町村の教育委員会が設置する公的施設

サポート校…通信制の高校に在籍している生徒の卒業に向けた学習指導

が、それぞれの大まかな役割です。

「えっ、じゃあフリースクールって何もしないの?」

なんて声が上がってきそうですね。

フリースクールの目的や取り組みは、その場所によって多種多様に存在します。

〇目的の例

・自信を取り戻し、学校への登校復帰を目指す

・遅れがちな学習を取り戻す

・社会性(ソーシャルスキル)を身につける

・日常生活のリズムを立て直す  などなど

〇取り組みの例

・学習指導(小学校低学年の基礎からの学び直しや受験対策まで様々)

・パソコンやタブレットを使った活動

・スポーツ活動や調理実習

・農業体験、キャンプ  などなど

つまり、それぞれのフリースクール運営者が、

子どもたちにとって何が一番大切かを考え、実践している

と言えます。

ここで勘違いしてしまいそうですが、

フリースクールは基本的に有料施設である

とお考え下さい。残念ながら、「フリー = 無料」ではありません。

 

また、中にはカリキュラムもなく、必ずしもその児童生徒にとって適切な支援の場とは言い難い団体や、情報が乏しく学校や教育委員会との取り組みと相容れるか明確でないなどの課題が指摘されている団体があることもあります。

 

目的も取り組みも運営母体もそれぞれなので、スタッフの数や年齢、人柄、施設の規模、そして会費や費用も場所によって様々です。まずは気軽に問い合わせてみるのも一つの手かもしれません。

 

では、フリースクールに通うことのメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

次回、メリットについて解説をしたいと思います。

 

不登校とは

かなり聞きなれた言葉になりつつある「不登校」という言葉。
今回は、不登校の定義などについて解説していきます。

「不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く。)」※児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査より抜粋

と、文部科学省により不登校は定義されています。不登校の児童生徒数は平成9年に10万人を突破して以降、高水準のまま今日に至っています。
以前は「登校拒否」という言葉も使われていましたが、現在はこの言葉を聞くことはほとんどありません。
登校拒否という言葉が使われていたのは、昭和41年~平成9年までの間でした。

 

当時登校拒否は、
「学校ぎらい」「心理的な理由などから登校をきらって長期欠席をした者」で50日以上欠席した児童生徒」
と定義されていました。ここで注目すべき点は、「学校ぎらい」という点です。

例えば、こんな場面を想像してみてください。
ある家庭で、ペットを飼ってみないかと提案をされた子どもがいたとします。その時、
A太くん「飼ってみたいけど、以前犬に噛まれたことがあるし…それにちゃんとしつけができるか不安」
B子ちゃん「ペット?動物なんて嫌い!なんでそんなもの飼わなきゃいけないの!」
と別々の反応がありました。この2人の違いは何でしょうか。
2人は共通して、ペットを飼うことに肯定的でないことがわかります。しかし、A太くんは「飼ってみたいけど」と少し前向きな意見もありつつ受け入れにくい状況にあることに対し、B子ちゃんは「飼いたくない」と明確な拒絶をしていますね。

 不登校という言葉は、「登校しないあるいはしたくともできない」と定義されているように、
本来子どもは学校に登校したいと考えていることにも注目している点にあります。
子どもたちにとって、物心ついたころから「学校は自分も行くようになる場所」「言って当たり前の場所」という感覚が付いてくることがほとんどです。そんな場所に通わないもしくは通えないということが、子どもはもちろん保護者にとっても大きな不安の材料となってしまうのは、それこそ当たり前なのかもしれません。
ここで大切なのは、無理をさせないこと、そして子どもの気持ちを理解することです。
子どもたちはいつでも一生懸命で、素直に頑張っています。全力で走り続ければ、途中息が切れてしまうこともあるでしょう。走り続ける体力がまだついていなければ、足を止めることもあるでしょう。
子どもたちのゴールは、ずっとずっと先にあるのです。時には休ませてあげることも、話を聞いてあげることも大切なことです。
もしお子さんが不登校になってしまったり、不登校になりそうだったりした場合は、

まずは子どもの心の声に耳を傾け、悩みを聞き、共感し、一歩前に進めるよう寄り添ってあげてみてください。

子どもにとって、他の誰よりも保護者の方が一番身近にいる相談相手なのです。それでも難しいようであれば、学校や専門機関に相談してみるのもよいでしょう。
休みたい理由が解決できれば、自然と学校にも行くようになることでしょう。そこにかかる時間は子どもによって違います。それもひとつの“個性”と、前向きにとらえてみてはどうでしょうか。