夏休みも終わりが近づいてきましたね。
2学期制の学校は既に登校が開始しているところもあるかと思います。
皆さんは子どものころ、どのような夏休みを過ごしたでしょうか。
きっと楽しい思い出がたくさんあることかと思います。
同時に、宿題に苦戦した方も多いのではないでしょうか(笑)
特に苦戦する方が多いと言われる、読書感想文。
今回は、夏休みにピッタリ?な
「作文の書き方のコツ」について
少しお話をしたいと思います。
「どの本を読んでも、いつも同じような感想文になってしまう」
「とにかく面倒だから、本の内容を書いて終わりにする」
このような経験談をよく耳にします。
読書感想文に限らず、作文を書くのが苦手という意見が多くあります。
しかし思い返してみれば、漢字の読み書きや計算の仕方を教わった記憶はあっても、
作文の書き方を詳しく教わった方というのは、実は少ないのではないでしょうか。
作文や読書感想文を書くにあたってオーソドックスなパターンが、
①どこに行った(何を読んだ)
②何をした(本のあらすじ)
③何を感じた
④楽しかったです
という形。
実際に書いてみると、②の割合が8割近くなることが多いように感じます。
こうなると、どんな本だったのかを紹介した文になり、
作文や感想文を書くことの意図から少し離れてしまいます。
では、具体的にどのような書き方をすれば良いのでしょうか。
実は、ちょっとした工夫(手助け)を加えると、作文の内容の幅が広がるのです。
【何をしたか(本のあらすじ)のまとめ方の工夫】
×起きた内容(本の内容)をほとんど全部書いて(写して)しまう
〇一度図解にして、どこが重要か、何を伝えたいかを見てみる
→頭の中にある記憶を思い返すと、時系列に沿って全部書きたくなってしまう
気持ちが出てしまいがちです。図にしてみて、
「ここと、ここと、これについて書こう」とポイントをいくつかピックアップしてみましょう。
【何を感じたか】
×「楽しかったです」「面白かったです」ばかりになってしまう
〇「今までで一番」「まるで〇〇みたいでした」と、表現に変化や比喩を加える
→「どうだった?」と聞いたとき、「おもしろかった!」で終わらせず、
「どんなところが?」「どんなふうに笑った?」「なんだか〇〇に似てるね」
「それを見て、何かしたくなったりした?」など、質問のバリエーションを増やしてみましょう。
【その他、表現の仕方の工夫】
例⑴ おもしろかった
…みんなに教えたいと思った、ゲームをするのを忘れてしまった、
気づいたら1日が終わっていた、何度も読み返してしまった、自分も〇〇みたいになりたいと思った、など…
例⑵ すごい、と思った
…かっこいいと思った、あこがれた、すてき、最高、こんな人(本、ものetc…)初めて、
衝撃的、考え方が変わった、自分にはできないと思った、など…
作文や感想文を書くことで、
・読んだ内容や経験を記憶や知識として処理する
・経験や記憶、感情を正しく伝える
・経験や記憶、記憶をより詳しく伝えるために、表現の方法を変化させる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から考えられる予測を立てる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から現実世界にはない想像を膨らませる
などの学習効果が期待できると言えます。
さまざまな経験や活字(文章)を読むことは、脳を活性化させてくれます。
「なぜ?」「どんなふうに?」と、いつもより少しだけ詳しく聞いてみて、
ちょっとだけ手助けをしてみることで、子どもたちの感性がより磨かれるかもしれません。
もしよければ、試してみてください。
イラスト:ニョラネコ