以前のブログで、アクティブラーニング
とはどういったものか、
簡単に用語の解説をしました。
では、学校の授業や家庭での学習には、
具体的にどのように
アクティブラーニングが活用されているのか、
または活用されるべきなのでしょうか。
今回は、アクティブラーニングの活用例を挙げてみたいと思います。
以前のブログでも解説したとおり、
アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」
と言葉を改めています。
「主体的」や「対話的」については、
どのように取り入れていけばよいのかは文言から想像することができますが、
それらとともに「深い学び」も実践していくことが求められます。
「深い学び」とは、例えば各教科で学んだことを
ただの知識として習得することだけを目的とするのではなく、
身につけた知識を実社会・実生活で活用し、
課題解決をしたり、自ら課題を見つけ出したりする
ことが求められています。
一つの例として、漢字の学習をあげるとします。
一般的に漢字の学習方法と言えば、
①教科書の新出漢字の書き方、読み方、使い方(意味)を教わる
②何度も書いて覚える
③テストで答える
といったルーティーンが思い浮かぶのではないかと思います。
この学習方法のメリットとしては、
集団に教える側にとって効率的であることです。
全員が同じ内容を聞き、書いて練習することで、
クラス全員が同じ内容を学習し、全員同じ内容のテストを行うことで、
その授業での習熟度を「点数」という客観的な数値で計ることが可能です。
しかし、この方法はアクティブラーニング的でないことは、
お分かりいただけるかと思います。
前述通り、アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」
と言葉を改めています。
先ほどの方法では、主体性や対話の場面、学びを深める場面は
なかなか生まれません。
受動的な内容よりも、子どもたちが対話などを通して
内容を掘り下げ主体的に学ぶことで、身につけた知識を
「知恵」「技能」として活用できる
ようになっていくのです。
例えば、上記のような漢字学習の場合、
①書き方・読み方・使い方(意味)を教える
→漢字の部首やつくりから、何と読むか、どんな意味かを
想像してノートに書き、周囲と共有
→なぜそう思ったかを発表&意見交換
②何度も書いて覚える
→学習した漢字・単語を使った熟語や作文を作る
③テストで答える
+子ども同士の答え合わせやアンケートなどで振り返りを行なう
などなどです。
これらの工夫を取り入れることで、
子どもたちの学習活動が大きく活発化することが見て取れるかと思います。
もちろん、例に挙げた以外の学習方法も数多く存在し、実践されていることでしょう。
「毎回そんな準備をする余裕はない」
「子どもが中心になってしまっては授業(勉強)が成り立たないんじゃ…」
「今までの方法の方が身につくのでは」
などの不安が生まれるかもしれませんが、アクティブラーニングは
週に1回取り入れる程度でも、授業や学習活動にメリハリ
が生まれるので十分でしょう。まして、子どもたちが
主体的に(ある意味では「勝手に」)深い学びを進めていける
のであれば、教えるのではなく、
学びの方向性を示すだけで良いので、
非常に効率的な学習活動を展開できるようになります。
また、学習するうえで重要なのは、
学習活動における目標設定を確実に行うこと、そして
子どもたちと共有することです。
何について学ぶ(学んでいる)のか、
なぜ学ぶのかを子どもたちに伝えることで、
子どもたちは学習のポイントに注目した状態で学習に臨む
ことができ、学習の定着度は大きく変化します。
学校での授業はもちろん、家庭での学習に関しても共通して言えることでしょう。
これらのポイントを押さえ、気軽な気持ちでアクティブラーニングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
以上、アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)の活用例について解説しました。
イラスト:ニョラネコ