学校教育の目的とは

「学校=勉強するところ」

というイメージは、間違っていません。

学校のテストで満点を取れれば、

誰だって嬉しいと感じるでしょう。

しかし、学校教育とは

教科学習や教科知識を修得することのみを

目的としているのではありません

それらを通して何を学ぶかを、真の目的として掲げているのです。

今回は、学校教育の目的について簡単に解説したいと思います。

学校は何をするところ?と聞くと、「勉強するところ」という答えが一般的です。

何の勉強をするの?と聞くと、「国語」「数学」「英語」など、

教科を答えるのが一般的です。

何のために勉強するの?と聞くと、答えに詰まる人が出てきますが、

「社会に出て生きていくため」と答えるでしょう。

では、社会に出るために何故紙粘土で工作をするの?と聞かれたら、

どのように答えますか?案外困る方も多いのではないでしょうか(笑)

教育基本法における教育の目的は、

・教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。(教育基本法第一条)

とあります。学校教育に関しては

・小学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なものを施すことを目的とする。

・中学校は、小学校における教育基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。

・高等学校は、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とする。

となっています。

加えて学習指導要領解説によると、

〇生きる力という理念の共有

〇基礎的、基本的な知識・技能の共有

〇思考力・判断力・表現力等の育成

〇確かな学力の確立

〇学習意欲や学習習慣の確立

〇豊かな心や健やかな体の育成

といった内容を基本的な考え方として、教育活動を行なっています。

単に「教育」と言っても、教育的活動が行われるのは

小・中学校、高校だけではありません。

教育に関する法律は、

教育基本法学校教育法の二つの柱から成り立っています。

教育基本法は、学校教育のみならず、家庭学習、社会学習、政治学習や宗教学習など、

「教育活動全般」について触れられています。

学校教育法では、文字通り「学校に関する教育活動」について触れられて、

それぞれの法律に教育活動を通じての「目標」が設定されています。

学校教育では、教育基本法及び学校教育法の両側面を有したうえで、

「学習指導要領」にそって教育活動が行われています。

学校で扱われる全教科及び特別活動等、

学校教育に関わる全ての活動には、学習指導要領により

「目標と内容」が示されています(学習指導要領については別ブログにて)。

ブログ「学習指導要領とは」

つまり、学校教育というのは、

教育活動全体を通じて上記項目を達成することを目的とし、

それらの目的を達成するために目標を設定している

ということですね。

学校とは、教科教育のみの場ではなく、

教育活動全般を通して生きる力を身につけ、人格形成を行なう場です。

 

「学校(の勉強)って、何のために行く(する)のかな…」

という考えが生まれたときは、

教育基本法、学校教育法、学習指導要領を開いてみる

整理がつきやすいのではないかと思います。

 

以上、学校教育の目的についてお話しました。

 

イラスト:ニョラネコ

【実施報告】教育と医療に関する講演会

2月17日(土)、あーすぷらざにて

「教育と医療 ~医療の立場から~」のテーマでの講演会を開催いたしました。

講師として、医療法人社団ハートクリニック理事長の浅井逸郎先生をお招きし、

90分程ご講演頂きました。

教育は何を提供しているのか、医療は何を提供しているのか、

教育と医療、それぞれの視点から子どもたちのことを理解し、

適切な対応を改めて考えるための、大変貴重なご高話を拝聴することができました。

講演の中にあった、

「発達障害があろうがなかろうが、子どもが将来幸せに生活できるようになることが大切」

という言葉に、大変共感しました。

また、今回の講演会には、多くの方にご参加いただきました。

お集まりいただいた皆様、誠にありがとうございます。

学習指導要領とは

先日、平成34年度から実施される

高校学習指導要領改訂案が、

文部科学省より公表されました。

これまでのブログでも何度か、

学習指導要領という言葉がでてきましたが、

学校教育に携わっている方でなければ、

なかなか触れることのないワードでしたね。

これまで解説せずに進んできてしまいごめんなさい(笑)

今回は、学習指導要領について簡単に説明したいと思います。

学習指導要領とは、

文部科学省の作った「授業のガイドブック」

のようなものです。

小学〇年生はこの教科ではこれをこのように学びこれを身につけていく…

といったものが学習指導要領に記載されており、学校の先生はこの

学習指導要領に沿って授業を作成・進行していきます。

また、学習指導要領は

日本全国で同じものが使用されており、

どの地域でも一定水準の教育が受けられる

ようになっています。

学習指導要領は、小学校・中学校・高校のそれぞれの

各教科に大まかな目標が定められており、

校教育法施行規則で定められている

年間の標準授業時数を踏まえ、

地域や学校の実態に応じてカリキュラムが組まれています。

小中高の各学校、各教科の学習指導要領は、

一般的な書店でも販売されていることが多く、

値段も1冊150円程度と非常に安価で手に入れることができます。

国はどのような目的を持って学校教育を行なおうとしているのか、

それをもとに学校はどのようにカリキュラムを組んでいるのか、

といった意図を知る手段の一つとして、興味のある方は一度手に取ってみるのも面白いかもしれません。

学習指導要領は、

昭和33年以降約10年ごとに改訂されています。

新しい学習指導要領に関しては、

小学校では平成32年度、中学校では33年度より全面的に実施、

高校では34年度より年次進行で実施が予定されています。

また、「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブラーニング)

アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)とは①

にも触れられ、

「何ができるようになるか」を明確化している点や、

小学校における外国語教育の充実、

プログラミング学習などの情報活用能力、

子どもたちの発達の支援についても、

今回の学習指導要領改訂におけるポイントとして挙げられています。

時代の変化とともに、教育に求められるニーズにも変化が求められ、

学習指導要領の改訂により時代に沿った教育方針が示されています

子どもと関わる機会の多い方は、日本の学びの在り方の理解に一歩踏み込むことで、

また一つ発見があるかもしれませんね。

 

以上、学習指導要領について解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ

アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)とは②

以前のブログで、アクティブラーニング

とはどういったものか、

簡単に用語の解説をしました。

では、学校の授業や家庭での学習には、

具体的にどのように

アクティブラーニングが活用されているのか、

または活用されるべきなのでしょうか。

今回は、アクティブラーニングの活用例を挙げてみたいと思います。

以前のブログでも解説したとおり、

アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」

と言葉を改めています。

「主体的」「対話的」については、

どのように取り入れていけばよいのかは文言から想像することができますが、

それらとともに「深い学び」も実践していくことが求められます。

「深い学び」とは、例えば各教科で学んだことを

ただの知識として習得することだけを目的とするのではなく、

身につけた知識を実社会・実生活で活用し、

課題解決をしたり、自ら課題を見つけ出したりする

ことが求められています。

一つの例として、漢字の学習をあげるとします。

一般的に漢字の学習方法と言えば、

①教科書の新出漢字の書き方、読み方、使い方(意味)を教わる

②何度も書いて覚える

③テストで答える

といったルーティーンが思い浮かぶのではないかと思います。

この学習方法のメリットとしては、

団に教える側にとって効率的であることです。

全員が同じ内容を聞き、書いて練習することで、

クラス全員が同じ内容を学習し、全員同じ内容のテストを行うことで、

その授業での習熟度を「点数」という客観的な数値で計ることが可能です。

しかし、この方法はアクティブラーニング的でないことは、

お分かりいただけるかと思います。

前述通り、アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」

と言葉を改めています。

先ほどの方法では、主体性や対話の場面、学びを深める場面

なかなか生まれません。

受動的な内容よりも、子どもたちが対話などを通して

内容を掘り下げ主体的に学ぶことで身につけた知識を

「知恵」「技能」として活用できる

ようになっていくのです。

例えば、上記のような漢字学習の場合、

①書き方・読み方・使い方(意味)を教える

→漢字の部首やつくりから、何と読むか、どんな意味かを

想像してノートに書き、周囲と共有

→なぜそう思ったかを発表&意見交換

②何度も書いて覚える

→学習した漢字・単語を使った熟語や作文を作る

③テストで答える

+子ども同士の答え合わせやアンケートなどで振り返りを行なう

などなどです。

これらの工夫を取り入れることで、

子どもたちの学習活動が大きく活発化することが見て取れるかと思います。

もちろん、例に挙げた以外の学習方法も数多く存在し、実践されていることでしょう。

「毎回そんな準備をする余裕はない」

「子どもが中心になってしまっては授業(勉強)が成り立たないんじゃ…」

「今までの方法の方が身につくのでは」

などの不安が生まれるかもしれませんが、アクティブラーニングは

週に1回取り入れる程度でも、授業や学習活動にメリハリ

が生まれるので十分でしょう。まして、子どもたちが

主体的に(ある意味では「勝手に」)深い学びを進めていける

のであれば、教えるのではなく、

学びの方向性を示すだけで良いので、

非常に効率的な学習活動を展開できるようになります。

また、学習するうえで重要なのは、

学習活動における目標設定を確実に行うこと、そして

子どもたちと共有することです。

何について学ぶ(学んでいる)のか、

なぜ学ぶのかを子どもたちに伝えることで、

子どもたちは学習のポイントに注目した状態で学習に臨む

ことができ、学習の定着度は大きく変化します。

学校での授業はもちろん、家庭での学習に関しても共通して言えることでしょう。

これらのポイントを押さえ、気軽な気持ちでアクティブラーニングに挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

以上、アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)の活用例について解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ

 

アクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)とは①

学校の授業で、「楽しかった」「まだ覚えている」

といった内容には、どんなものが思い浮かびますか?

実験や工作、球技などいろいろあるかと思います。

体を動かしたり、体験的な学び方をしたりすると

身につきやすいと言われています。

そこで今回は、近年注目される「アクティブラーニング」

について解説していきたいと思います。

いわゆるアクティブラーニングは、

「主体的・対話的で深い学び」と言葉を改め、

次期学習指導要領案に記載されています。

子どもたちがどのように学ぶかに着目し、子どもたちが主体として学び、

生きる力を身につけていくための教育手法を指します。

「授業」の一般的な形としては、教員が前に立ち、黒板に授業内容を書きながら説明し、

子どもたちはノートを取ったり問題を解いたり発表をしたりする、

いわゆる「講義形式」が挙がるのではないかと思います。

1つの教室に40人近い子どもたちが集まり知識を得るためには、

一番効率の良い方法と言えるでしょう。

しかし、近年の子どもたちの現状については、

国内外の学力調査(全国学力・学習状況調査、PISAなど)などの結果から、

学習したことを活用して自分の考えをまとめたり、

根拠や理由を明確に説明したり、

物事を分析し自分の考えに生かしたりする力に課題がある

との指摘もされています。

 

また、文字の読み書きはできても、書かれた内容の理解や活用ができない

「機能的非識字」状態にある子どもが増加しているとも指摘されています。

こうした指摘から、現代教育の課題として、

知識を身につけても知恵として活用できる能力が身についていないのでは、

という懸念がされているのです。

そこで、これまでの受動的な学習方法から、子どもたちの能動的な学びを促し、

あらゆる課題解決能力を身につけていくことを目的として、

アクティブラーニングを導入しようという考えが中央教育審議会で強まったのです。

アクティブラーニングの方法としては、例えば、

・教員が説明する時間を減らし、子どもたちが考え行動する時間を増やす

・実験などの体験的な学習を増やす

・対話の機会を増やし課題に協同で行なったり、議論をしたりする

・反転授業(例:家庭で予習、学校で復習)

など、この他にもありとあらゆるものがあります。

アクティブラーニングの導入に関しては様々な意見がありますが、

将来の社会を築いていく子どもたちに「生きる力」を身につけさせていくことは、

学校だけでなく社会全体の責任でもあります。

子どもを取り巻く大人たち全員で様々な方法を吟味しながら、

将来を担う人財を育てていきたいですね。

 

以上、アクティブラーニングについて簡単に解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ

ICTを活用したLD傾向の子どもへの学習支援

以前のブログで、

ICTを活用した学習支援や不登校支援

についてお話ししました。今回は、

ICTを活用したLD(学習障害、以下LD)傾向の子どもへの学習支援

についてお話ししたいと思います。

ICT機器の大きな特徴の一つとして、

音声や写真・動画などを記録(記憶)することに力を発揮

するものが多くあると言えるでしょう。これらを活用することで、

・メモの代わりに録音機器に声で録音する

・スマートフォンなどのカメラ機能で板書された内容を

一時的に写真で保存する

など、LDを抱え、読むまたは書くことに困難をきたしている方にとって

有効な支援のツールになる場面が増えてきています。

徐々にではありますが、LDのお子さんへの具体的な支援方法として

学校教育に取り入れているところもあります。

また、文字を書くことが苦手でも、

キーボード入力ならスムーズにできる

といったケースも少なくありません。書字障害を抱えた方が、

国立大学のAO入試にパソコン(ワープロソフトでの文字入力)を使用

することを認められ、見事合格することができた、といった例もあります。

LDとは別の種類にはなりますが、人前で発言をすることが苦手だったり、

発声障害や緘黙(かんもく)などを抱えていたりする場合には、

・自分の意見をICT機器などを用いて文字にし、

 画面に表示して相手に伝える

・タブレットなどを利用してアンケートに答え、

 アンケート結果をスクリーンに匿名で表示する

・クイズ番組のように答えを一斉表示するなど、

 コミュニケーションをとりつつ学習活動に参加する

ことも可能にします。

しかし、ICT機器の導入には

非常にコストがかかることや、

ICT活用教育に理解が完全に浸透しているとは言い難い

といった課題が残っています。

「みんなは書いて覚えているのに不公平ではないか」

「ほかの人よりも多く書いて覚えればよいだろう」

教育現場や周囲からの意見として、こうした声も耳にすることがあります。

しかし思い返してみれば、

打ち合わせ内容をカメラで撮影したり、

ケータイでメモを取ったり、

会議の内容を録音したりする

ことは、近年では珍しくない光景になってきました。

本人の特性を考慮(合理的配慮)したツール・環境を必要に応じて利用したり、

目的を達成するためにツールを工夫したりすることは、

大人だけではなく子どもにも必要と言えるでしょう。

こうした課題を解決するために大切なのは、

周囲の大人がしっかりとその子どもを理解し適切な支援を行うこと

ではないかと思います。

担任の先生からICT機器の使用を提案したり、

保護者の方から事情を説明して機器を使用する許可を得たりする

など、周囲がその子どもを理解し、柔軟な対応をしていく必要があります。

また、授業を担当する先生は、

周囲の生徒から理解を得るための努力も必要ですし、

保護者の方からもなぜ、どのように使用するかを説明する

必要があります。また、LDの子だけでなく

すべての子どもが学習方法・ツールを柔軟に選択・使用できる環境

整えていく必要もあると言えるでしょう。

その子にとって、何が必要でどうするべきかを考えることは、

その子だけを特別扱いしているのではなく、

個を尊重する上での一つの配慮である

ということを、しっかりと理解しておきたいですね。

 

イラスト:ニョラネコ

【実施報告】お母さんグループの勉強会に招いていただきました!

 

12月13日(水)、不登校発達特性について高い関心を持つお母さんたちのグループから、勉強会の講師としてお招きいただきました。

小学生から高校生のお子様をもつ保護者の有志が集まり、子育てに関する情報共有や、お互いの労をねぎらうための私的な集まりとして活動しておられます。平日開催にもかかわらず、多くの方々にお集まりいただきました。

勉強会のテーマは、私たちが元高校の教員ということもあり、

子どもが主役の「環境」と「学びの力」”

というテーマで、2時間程お話しさせていただきました。

今後も不登校や発達特性の子どもたちに公正かつ適切な支援が届く社会にするために、保護者の方々と連携を深めさせていただけましたら幸いです。

 

ご寄付をいただきました!

勉強会終了後、ご参加いただいたお母様方から、私たちのNPO法人の活動に対して、激励のお言葉と「ご寄付」をいただきました。ご期待に沿える様、今後とも一生懸命努力して参ります!ありがとうございました。

第5回 不登校・発達障がいに関する研修会実施について

 

 

 

 

 

●目的:①不登校や発達障がいの基本的な知識や支援方法を学ぶ

     ②適切な支援方法の創造力とチームでの探求力を養う

●内容:午前…基礎講座 オリジナルテキストを使用した講義・解説

     午後…応用講座 グループディスカッションによる事例学習

●対象:大学生・専門学校学生(教育・医療・心理関係)、家庭教師、塾講師、保護者、シニアなど

●日時:平成29年12月17日(日)10:00~16:00

●場所:地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)研修室B

●費用:一般…3,000円 学生…無料

●申込:HPお問い合わせフォームより

https://seeds-app.com/

 

以上の内容で研修を行ないます。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

発達障害と有名人

少し前の話になりますが、

「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」

という本が話題となったことは、記憶に新しいのではないかと思います。

ファッションモデルの栗原類さんの著書で、

「発達障害」という言葉が世に広く知れ渡る一つのきっかけとなりました。

人とは違う感性を持っていたからこそ、他から抜きんでて活躍できたのかもしれません。

そこで今回は、「発達障害と有名人」について解説したいと思います。

以前のブログでも解説しましたが、

発達障害(と思われる)児童・生徒の割合は、

小中学生全体のおよそ6.5%に上るだろうと言われています(文部科学省調査)

今でこそ、発達障害という言葉や概念が少しずつ認知されるようになってきてのこの数値ですので、

場合によってはこの割合はもっと多い可能性もあります。

発達障害は現代病の一種ではなく、今も昔も存在していました。

「もしかして、小学生の頃に同じクラスだったあの子って…」

と、思い当たる節があるのではないでしょうか。

では、もっとさかのぼってみたらどうなるのでしょうか。

実は、発達障害を公表している有名人や、

「発達障害を抱えていたのでは」と思われる偉人が数多くいるのです。

たとえば…

【発達障害を公表している有名人】

・栗原類…ADD

・黒柳徹子…計算障害、ADHDなど

・ミッツ・マングローブ…LD(学習障害)

・オーランド・ブルーム…ディスレクシア(読字障害)

・トム・クルーズ…ディスレクシア(読字障害)

・ウィル・スミス…ADHD

 

【発達障害だったのではとされる偉人】

・坂本竜馬…ADHD

・織田信長…アスペルガー症候群

・レオナルド・ダヴィンチ…ADHD

・トーマス・エジソン…ADHD

・アルバート・アインシュタイン…ディスレクシア(読字障害)

 

などなど。

「えっ、あの人が!?」という人物もいたのではないかと思います。

発達障害と聞くと、マイナスなイメージを抱きがちかもしれません。

しかし、発達障害を抱えながら活躍されている有名人や過去の偉人たちは、

自分の持ち味を生かせる仕事を見つけ活躍しています。

人とは違った感性を持っているからこそ、

他の人にはできないことができる、

突出して輝ける場面がある、

とプラスにとらえることで、新たな可能性が見えてくるかもしれませんね。

 

以上、発達障害と有名人についてのお話しでした。

 

イラスト:ニョラネコ

ICTを活用した不登校支援

少し前に、ICT活用教育について解説しました。

今回は、ICTを活用することでのメリットの一つとして、

不登校傾向にある児童生徒に対するICT機器の活用法

をお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に足が向かない、

家から外に出ることが難しいといった、

不登校傾向にある児童生徒への支援の方法の一つに、ビデオ電話があります。

ビデオ電話は、インターネット環境にあるパソコンやスマートフォンなどを使用して、

離れた場所にいる相手と画面越しに顔を合わせ会話ができる機能

のことを指します。

現在では、Skype(スカイプ)LINE(ライン)などが主に利用されており、

皆さんも普段触れることの多い機能ではないかと思います。

現在では、ビデオ電話を利用した英会話教室やパソコンの操作案内など、

あらゆる場面で活用されており、これらを応用すれば、

画面を通して気軽に子どもの様子をうかがったり、

画面越しに授業を受けたりするなどの

教育活動・不登校支援に用いることができるでしょう。

実際に、インターネットを通じて

自宅に居ながら授業が受けられる仕組みの通信制高校

も近年開校しています。

いじめや学習の遅れなどから学校に通うことに対し抵抗感を持つ生徒や、

学校に通わないことで生まれる時間を活用し

スポーツや芸術活動に打ち込みたい生徒などにとって、

有効な学びの場と言えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

その他にも、e-ラーニングを用いることで、インターネット環境さえ整っていれば

時間や場所を選ばず学ぶことができるので、

活用の仕方次第では、

自宅での学習活動をより充実させることができるでしょう。

また、文部科学省は来年度より、いじめなどの相談の場として、

SNSでの相談窓口の開設を検討しているなど、

現代社会に合わせた形の新しい取り組みが始まりつつあります。

無料のコミュニケーションアプリLINEを用いて、

いじめに関する相談を受け付ける取り組みを行うとした、

「LINEを利用した子どものいじめ防止対策に関する連携協定」

LINEと滋賀県大津市の間で締結されました。

このように、ICTの活用は教育界において徐々に広がりを見せています。

しかし学校教育において、こうした環境の整備が進むことで、

不登校を助長するのではないか、

学習活動の妨げになるのではないか、

という声も上がっており、不登校やICT活用教育に対する理解が

完全に浸透しているとは言い難い

というのも課題と言えます。

また、ICT機器に関するインフラの整備や基本的な知識、

人的配備などが追い付いていない

という教育現場も数多く存在します。

不登校支援・学習支援に限らず、現代社会を生きる上で、

「ICT」は日常生活・社会生活と強く結びついており、

必要不可欠な存在であると言えるでしょう。

現代社会を生き、未来を切り開いていくすべての子どもたちのために、

柔軟な価値観が広がりつつ、多様な学びを実現させる学習環境の整備

がさらに進んでくれることに期待したいですね。

 

以上、ICTを活用した不登校支援について解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ