ICT活用教育とは

先日、某有名ブランドの新型スマートフォンが発表・発売されましたね。

毎年この時期に行なわれる発表会が、楽しみで仕方ありません(笑)

今では生活に欠かすことのできなくなった、インターネットやパソコン、スマートフォンなど。

10年前、20年前の夢は、もはや実現可能なプロジェクトになり得る時代になりました。

学校教育においても、そうした情報化社会の波を受け、

ICT活用教育プログラミング教育ど、様々な取り組みが導入されてきています。

そこで今回は、ICT活用教育について解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ICT…Information and Communication Technology

日本語に直すと「情報通信技術」のことです。

つまり、情報通信技術を活用した教育のことを、ICT活用教育と呼んでいます。

ICTとIT(Information Technology)が混合することもあるかと思います。

現代での情報技術は視覚・聴覚だけでも多岐にわたり、カメラやボイスレコーダーといったものから、

パソコンやスマートフォン、現在ではVR※1やAR※2といったものも登場してきています。

ICTとITは、Communication、つまり他者との交流の有無の違いと大まかにとらえてよいでしょう。

ICT活用教育の目的は、最新技術を学校教育に取り入れることではなく、

子どもたちへの教育効果を高めることを目的としています。例えば、

①教科書の内容をポインだけまとめて、プロジェクターとパワーポイントを用いて説明し理解を深める

②跳び箱を苦手としている生徒に対し、その生徒の動作と見本となる動作の両方を動画で撮影し比較をすることで課題を解決するヒントにする

③学習内容の解説動画を、オンラインでいつでもどこでも視聴することができる

④学習アプリなどのe-ラーニング※3を用いて、予習・復習の学習習慣の構築や個のレベルに合わせた学習活動を行なう

などの方法で用いられています。

 

 

 

 

 

 

例:電子黒板を用いた授業

 

現在では、学校内の無線LAN化(Wi-Fi)が急速に進められており、

学校によっては生徒一人に対し1台のタブレットが支給されているというところもあります。

しかし、

・資金的に導入をすることができない

・導入をしても使いこなせるか不安

・そもそも必要ない

といった声や課題があることも事実です。

ここで大切なのは、ICT活用教育とはあくまで

教育効果を高めることを目的としており、

学校側は必要に応じて導入・使用すれば良いという点です。

教育関係者は、

「ICTを取り入れなければ」と身構えるのではなく、

より子どもたちの理解度を上げるためのひと工夫として使ってみる

程度に、気楽に考えてみることから始めればよいのではと思います。

普遍的なものを柔軟な方法で伝えていくためのひとつのツールとしてとらえておきたいですね。

以上、ICT活用教育について解説しました。

 

イラスト:ニョラネコ

 

 

 

※1…Virtual Reality(バーチャルリアリティ)の略。仮想現実空間を感じられる環境を、専用の機器などを通して人工的に作り出す技術の総称

※2…Augmented Reality(オーグメンテッドリアリティ) の略。拡張現実感や強調現実感のことで、視覚や聴覚などから得られる情報を、専用の機器などを通じて変化(または追加・削除)する技術の総称

※3…インターネットを利用した学習システムの総称

 

第4回 不登校・発達障がいに関する研修会実施について

 

 

 

 

 

 

 

●目的:①不登校や発達障がいの基本的な知識や支援方法を学ぶ

     ②適切な支援方法の創造力とチームでの探求力を養う

●内容:午前…基礎講座 オリジナルテキストを使用した講義・解説

     午後…応用講座 グループディスカッションによる事例学習

●対象:大学生・専門学校学生(教育・医療・心理関係)、家庭教師、塾講師、保護者、シニアなど

●日時:平成29年10月29日(日)10:00~16:00

●場所:地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)中会議室

●費用:一般…3,000円 学生…無料

●申込:HPお問い合わせフォームより

https://seeds-app.com/

 

以上の内容で研修を行ないます。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

※9月26日現在で、日程の表記が誤って「10月29日(土)」となっておりましたが、

 正しくは「10月29日(日)」となります。

 誤情報を記載してしまい、申し訳ございません。

お母さんグループの勉強会に招いていただきました!

本日、不登校や発達特性について、高い関心を持つお母さんたちのグループから、勉強会の講師としてお招きいただきました。

栄区近隣の、小学生から高校生のお子様をもつ保護者の有志が集まり、子育てに関する情報共有や、お互いの労をねぎらうための私的な集まりとして活動しておられます。
みなさん、とても明るい、元気なお母さんたちで、台風18号が接近中にもかかわらず22名もの方にお集まりいただきました。

勉強会のテーマは、私たちが元高校の教員ということもあって
①高校卒業後の進路 ②学力と学習力 という2つのテーマでのご依頼をいただきました。

勉強会中、みなさんがメモをとられたり、つまらないジョークにも笑っていただいたりなど、熱心かつ和やかな空気を作っていただいたお陰で、話をする我々にも自然と熱が入りました。結果、N先生は予定の時間をはるかにオーバーするなどのハプニング(?)もありました。(笑)

今後も不登校や発達特性の子どもたちに公正かつ適切な支援が届く社会にするために、保護者の方々と連携を深めさせていただけましたら幸いです。

ご寄付をいただきました!
勉強会終了後、お母様たちから、な、なんと、私たちのNPO法人の活動に対して、激励のお言葉と、「ご寄付」をいただきました。ご期待に沿える様、一生懸命に努力して参ります!ありがとうございました。

【SeedsAPP】9/13 本日の学びの様子

今日は小学生3人、中学生1人が学びに来る日。

今日はボランティアスタッフにも来ていただきました♪

漢字を練習したり、文章読解に挑戦したり、星座を覚えたり…

 

 

 

 

 

学び方を学ぶ、新しい形の学習教室。

みんな楽しそうに学んでいて、スタッフにも笑顔の連鎖!

フリータイムはみんなでワイワイ♪

 

 

 

 

 

これからも楽しく学んでいきましょー!

SeedsAPP取材報告②

タウンニュース様に、本団体の取材をしていただきました。

 

 

 

 

 

お忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。

今週木曜(14日)、鎌倉市で発行されますので、

是非ともご覧ください。

「学び方教室BB」大船教室オープン!

本日9月1日、「学び方教室BB 大船教室」をオープンいたしました。

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございます!

これからも、子どもたちにとってより良い学び場を作ってまいりたいと思います。

今後とも、ご協力よろしくお願いいたします!

皆さん、いつでも遊びに来てください♪

作文の書き方

夏休みも終わりが近づいてきましたね。

2学期制の学校は既に登校が開始しているところもあるかと思います。

皆さんは子どものころ、どのような夏休みを過ごしたでしょうか。

きっと楽しい思い出がたくさんあることかと思います。
同時に、宿題に苦戦した方も多いのではないでしょうか(笑)

特に苦戦する方が多いと言われる、読書感想文

今回は、夏休みにピッタリ?な

「作文の書き方のコツ」について

少しお話をしたいと思います。

 

「どの本を読んでも、いつも同じような感想文になってしまう」
「とにかく面倒だから、本の内容を書いて終わりにする」
このような経験談をよく耳にします。
読書感想文に限らず、作文を書くのが苦手という意見が多くあります。

しかし思い返してみれば、漢字の読み書きや計算の仕方を教わった記憶はあっても、

作文の書き方を詳しく教わった方というのは、実は少ないのではないでしょうか

作文や読書感想文を書くにあたってオーソドックスなパターンが、
①どこに行った(何を読んだ)
②何をした(本のあらすじ)
③何を感じた
④楽しかったです
という形。
実際に書いてみると、②の割合が8割近くなることが多いように感じます。

こうなると、どんな本だったのかを紹介した文になり、

作文や感想文を書くことの意図から少し離れてしまいます。

では、具体的にどのような書き方をすれば良いのでしょうか。

実は、ちょっとした工夫(手助け)を加えると、作文の内容の幅が広がるのです

【何をしたか(本のあらすじ)のまとめ方の工夫】
×起きた内容(本の内容)をほとんど全部書いて(写して)しまう
〇一度図解にして、どこが重要か、何を伝えたいかを見てみる
→頭の中にある記憶を思い返すと、時系列に沿って全部書きたくなってしまう

 気持ちが出てしまいがちです。図にしてみて、

 「ここと、ここと、これについて書こう」とポイントをいくつかピックアップしてみましょう。

【何を感じたか】
×「楽しかったです」「面白かったです」ばかりになってしまう
〇「今までで一番」「まるで〇〇みたいでした」と、表現に変化や比喩を加える
→「どうだった?」と聞いたとき、「おもしろかった!」で終わらせず、
「どんなところが?」「どんなふうに笑った?」「なんだか〇〇に似てるね」

「それを見て、何かしたくなったりした?」など、質問のバリエーションを増やしてみましょう。

【その他、表現の仕方の工夫】
例⑴ おもしろかった
…みんなに教えたいと思った、ゲームをするのを忘れてしまった、

気づいたら1日が終わっていた、何度も読み返してしまった、自分も〇〇みたいになりたいと思った、など…
例⑵ すごい、と思った
…かっこいいと思った、あこがれた、すてき、最高、こんな人(本、ものetc…)初めて、

衝撃的、考え方が変わった、自分にはできないと思った、など…

 

作文や感想文を書くことで、
・読んだ内容や経験を記憶や知識として処理する
・経験や記憶、感情を正しく伝える
・経験や記憶、記憶をより詳しく伝えるために、表現の方法を変化させる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から考えられる予測を立てる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から現実世界にはない想像を膨らませる
などの学習効果が期待できると言えます。

さまざまな経験や活字(文章)を読むことは、脳を活性化させてくれます。
「なぜ?」「どんなふうに?」と、いつもより少しだけ詳しく聞いてみて、

ちょっとだけ手助けをしてみることで、子どもたちの感性がより磨かれるかもしれません。

もしよければ、試してみてください。

 

イラスト:ニョラネコ

外国籍にルーツを持つ子どもと発達障害の関係性

これまで、さまざまな種類の発達障害について解説してきました。

発達障害を抱えることで、生きづらさや学びづらさを感じている人は多くいることでしょう。

当然のことながら、発達障害は日本人だけが抱えるものではなく、

世界中でも同じ特性を持つ方は数多く存在します。

そんな中、現代の教育界が抱える課題の一つに、

「外国にルーツのある子どもへの学習支援」があります。

家族の仕事の都合などにより日本へと移住した子どもが、

日本の学校で他の日本人と同じように学校教育を受けるというのは、

日本語の習得状況や文化の違いから、

なかなか最初から上手く進まないことがあると言われています。

そうした課題の解消に向けて、

外国にルーツのある子どもたちへの学習支援を行うNPO等の

団体は数多く存在し、救われている子どもたちも多くいます。

しかし、思うように学習が進まず、困難を感じている子どもや支援者がいることも、

現実問題として挙げられていると聞きます。

その場合、「なぜ学習が思うように進まないのか」という課題に対し、

「発達障害を抱えているのでは」という疑問を持つケースがあるようです。

前述したとおり、発達障害は日本だけでなく海外にも存在しています。

確かに、「学習に困難=発達障害では」というのも、一つの可能性であると言えるでしょう。

しかし、そうでないケースも考えられる場合もあります。

たとえばその子どもが、

日本語を学習していてもなかなか覚えることができない、

といった場合、

「母国での学習状況」も確認する必要があると言えるでしょう。

外国にルーツのある子どもの中には、経済的・社会的な背景により、

母国で満足に教育を受けられることができなかった(不就学)、

というケースもあると言います。

仮に、13歳の子どもが母国での教育を受けていない状態で来日した場合、

日本語で中学1年生の勉強をしようとしても、

そもそもの学習のベースや概念がないため理解できない

というケースも考えられます。その場合、

どこまでの知識がありどこまでなら理解できるのかを探る必要があります。

発達障害の可能性があるとして、

特別支援級で個別の支援を受けた外国籍ルーツの子どもが、

あっという間に知識を習得し、

日本の同年代の子どもたちと同様に学ぶことができるようになった

というケースもあります。

もし学習に困難を抱えている場合は、

母国での学習状況や現在の学習到達度を把握し、

その子に合ったレベルや方法で学習支援をスタートすることが良いでしょう。

また、それでもなかなか身につかなかったり、特性のある行動が目立ったりするなどの場合は、

必要に応じて医療機関に相談するのも良いかもしれません。

やはり、まずはその子どもが何に対して、

どこで困っているのかを理解していくことが大切ですね。

 

以上、外国籍にルーツを持つ子どもと発達障害の関係性についてのお話でした。

 

 

イラスト:ニョラネコ

通信制高校・技能連携校とは

以前のブログで、高校の種類について解説しました。

平成28年度の高校進学率は、98.7%に上ります。

そのうち、全日制高校への進学率は96.6%となっています。

つまり、高校進学者のほとんどが全日制高校へ進学している、

という結果になります。

しかし、不登校経験者や、発達障害を抱えている生徒の多くは、

「集団が苦手」

「授業についていけない」

「通学のリズムが整えられるか不安」

などの悩みを抱えていることが多く、

全日制の高校にはなかなかマッチしない傾向があります。

そこで今回は、多様なニーズに応える「通信制高校・技能連携校」について解説したいと思います。

 

通信制高校では、

学校に3年以上在籍し必要単位数74単位を修得すれば、

全日制の過程と同じ高校卒業資格が取得できます。

ただし、最終学年に達した時点で、必要単位数の不足があると卒業できずに留年

することになります。

なお通信制高校には、広域制狭域制があります。

  • 広域制…他県から等、広い範囲から入学できる。私立の多くは広域制だが、狭域制もある。
  • 狭域制…狭い範囲(一つの都道府県もしくは隣接する1つの都道府県からのみ)からのみの入学となる。公立高校は、全て狭域制となる。

通信制の学校で単位を修得するには

RST(R:レポート、S:スクーリング(面接指導)、T:テストの3つ)が必要

になります。

レポートやスクーリングは教科によって

その枚数や時間が決まっていてそれを満たすことが必要です。

しかし、レポートやテストを一人でどんどんこなしていければ良いのですが、

そう簡単なことではありません

そこでサポート体制として、現在では全日制のように毎日登校できたり、

登校日数を選べたりする通信制の学校もあります。

スポーツや芸術に特化したり、不登校や発達障害に対する理解や支援があったりと、

多彩かつユニークなカリキュラムが組まれ、

生徒たちの興味関心に応じるように工夫がされてきています。

また、通信制の学校と連携をして高校卒業資格が取得できる

技能連携校という教育施設があります。

技能連携校とは、都道府県教育委員会に指定された教育施設です。

通信制の学校に同時入学という形をとり、

工業や商業などの専門科目と普通科目の両方を学ぶことになります。

ここで面白い所が、

専門科目の修得単位が通信制の学校の単位として認められ、

普通科目と合わせて74単位を修得すれば高校卒業ができる、

という仕組みです。

全日制同様、週5日登校のところがほとんどで、

柔軟なカリキュラムのもとで社会進出に向けた学習活動を行なっています。

なお、技能連携校は教育施設として正式に認めらており、

施設内でスクーリングやテストを受験することも可能です。

これら通信制高校や技能連携校は少人数制であることも多いため、

不登校や発達障害を抱えた生徒へのケアや手厚いサポートが可能

な校舎も多くあると聞きます。

登校に不安や悩みがある場合は、一つの選択肢として視野に入れておくと良いかもしれせん。

高校の種類だけでもある程度把握できれば、納得のいく進路選択・実現ができるかもしれませんね。

以上、通信制高校・技能連携校について解説しました。

 

 

イラスト:ニョラネコ

高校の種類について

夏休みも半ばを過ぎ、いよいよ新学期ですね。

中学3年生にとっては、卒業後の進路に向けて

本格的に活動していく時期かと思います。

小学校から中学校へと進んだ後に選ぶ進路として、

最も多く選択されているのは「高校進学」。

平成28年度の高等学校等への進学率は98.7%という数字に達しており、

中学卒業=高校進学という考え方が、現代ではかなり浸透していると言えます。

そこで今回は、高校の種類について解説したいと思います。

通常、進学する高校を選ぶ際には、

学力、校風、卒業後の進路状況から選んだ本人の希望と、

家庭及び学校とで相談・面談を重ねながら判断することになります。

過去と比較すると、現在世の中の多様な価値観や生き方に応えるべく

々な形態の学校が存在しており、

子どもの状況に応じたカリキュラムが組まれるなどの

配慮もされてきています。

それぞれの学校の特徴を知った上で納得の進路が決められることが

一番良いことだと思います。

高校には、大きく分けて

全日制、定時制、通信制

の3種類があります。(以下に簡単に説明をします。)

●全日制高校
・一番馴染みのある高校と言える。3年制
・授業は1コマ50分、1日6~7時間の週5~6日
・朝登校、夕方下校
・勉強をメインに考えている生徒が多い

●定時制高校
・卒業までは基本4年間かかる
・授業は1コマ45分、1日4時間が主流
・夜間部が主流だったが、現在は午前部、午後部もある
・働きながら通う生徒が多い

●通信制高校
・基本は3年間で高校卒業資格を取得する
・授業は年に数回。基本は自宅でレポートに励む
・登校日数を選べる通信制高校が増えている
・勉強以外にもやりたいことがある、集団や通学に不安がある生徒が多い傾向にある

 

学校の種類による違いは、大まかに説明するとこうなります。
いざ高校を選ぶとなると、
「どの高校が自分に合っているのだろう」
「自分に行ける高校があるのだろうか」
といった不安を抱える人もいるかもしれません。


同様に、我が子の状況を見て、

どこが良いか、何をすれば良いか

悩む保護者の方も多いと思います。
学校の種類による特徴はあっても、学校によって雰囲気や特色は異なりますので
まずは情報を収集したり、自分の目で確かめたりしながら、
進学したい高校を選択することが良いでしょう。

高校生活は、中学生活に比べてとても速いスピードで「社会」が近づいてきます。
進みたい進路や将来像がはっきりと決まっている人もそうでない人も、
責任ある選択ができるように準備を整えていきたいですね。

次回以降、「高校」についてさらに深く掘り下げてみたいと思います。

 

 

イラスト:ニョラネコ