現代では、小中学生がスマートフォンを
所持している光景が珍しくありません。
膨大な情報の波と常に隣り合わせ
にいる状態は、世の中を便利にすると同時に
社会的な問題を生み出しています。
そこで今回は、子どもたちへの
メディアリテラシー※教育の必要性
についてお話ししたいと思います。
近年、スマートフォンの普及や無料Wi-Fiなどの
インターネット環境の整備が進むことにより、
時間や場所を問わずして、
必要とする情報が得られる
ようになっています。それに加え、
LINEやFacebook、インスタグラムなどのSNSにより、
コミュニケーションツールの多様化も
急速に進歩していると言えます。
また、デジタル教科書やeラーニング、学習アプリなどの
普及により、スマートフォンやパソコン・タブレット端末などの
ICT機器は、学習活動においても有効活用
されるようになっています。
日常生活・学習活動と、
子どもたちがICT機器を活用する場が増えていく中、
ICT機器が持つ危険性について、
子どもたちにどのような意識づけが行なわれている
のでしょうか。
ICT機器に関する危険の代表例としては、
SNSを通じたコミュニケーショントラブルです。
相手の顔が見えないこと、
文字を打ち込むだけで要件を伝えられることなどが災いし、
いじめなどに発展するケースが数多く報告されています。
それに加え、インターネット上で知り合った相手から
誹謗・中傷を受けたり、出会い系サイトなどで
未成年者が危険な目にあったりと、
様々な事件が発生していることも事実です。
誰も悪質な方法で使用することがなければ、
こうした問題や事件が発生することはないのですが、
現実問題としてそこに期待をすることは難しいでしょう。
そうした危険から身を守るためにも、
メディアリテラシー教育が必要なのです。
何をしたら危険かを理解できるかどうか、
そしてその危険な行為をしないこと(抑制)ができるか
どうかが大きなカギとなってきます。例えば、
・知らない人から連絡が来ても返事や会う約束をしない
・相手が不快になるような画像や悪口などを、
SNS上に書き込んだり掲載したりしない
・もし被害にあったらすぐに家庭や学校・警察に相談する
などです。また、
発達の途中段階にいる子どもたちに、
メディアリテラシーが身についていない
と判断される場合にICT機器を使用させる際は、
使用にある程度制限を加える必要があります。方法としては、
・有害サイトへのアクセスを防ぐため、
インターネットにフィルターをかける
・使用時間を制限する(朝〇〇時~夜〇〇時まで)
・家庭では保護者の、学校では教員の管理下で使用させる
などが挙げられるでしょう。
小学生がスマートフォンを所持していても、
何ら不思議でない現代社会において、
子どもたちを目に見えない危険から守るためにも、
周囲の大人たちがメディアリテラシーを身につけ、
子どもたちにそれを適切に伝える必要と義務
があると言えるでしょう。
以上、メディアリテラシーについてお話ししました。
イラスト:ニョラネコ
※メディアリテラシー:世の中にある様々な情報を読み解き、主体的に活用する能力のこと