メディアリテラシー教育の必要性③

こんにちは!SeedsAPPの伊藤です!

これまで2回に渡り、メディアリテラシー教育の必要性

についてお話ししてきました。

現代社会にとってなくてはならないツールとなった、

インターネットやスマートフォンなどのメディア機器。

これらは、情報を得るだけのものではなく、

発信することもできるツールであることも

理解していく必要があります。そこで今回は、

情報を発信(アウトプット)することに着目して、

メディアリテラシー教育の必要性

をお話ししたいと思います。

 

(SeedsAPPでパソコンを使った活動をしている様子)

 

いまや小学生が描く「将来の夢ランキング」の上位に、

youtuberがランクインしてくるほど、

動画サイトは身近なものとなっています。

SeedsAPPに通っている子どもたちの中にも、

動画を投稿している子や興味を持っている子も多くいます。

ここ数十年で、一般の人たちにとって動画や映像は

観るものから観てもらえるものに変化

してきています。これは、SNSなどを通じて

情報を発信することが容易になってきている

ことが背景にあります。最近では、

InstagramやTikTokといったSNSが流行し、

若者たちの娯楽になくてはならないものとなっています。

(筆者が中学生の頃は、友人とメールのやり取りができるだけで楽しかったものです。笑)

これらの媒体を通じて、

素晴らしい才能を世の中に披露できる

というのは、とても良いことだと思います。

以前のブログでは、情報収集をするうえで、

必要性や危険性を理解すること、

信ぴょう性を考え情報を精査する力をつけること

について話してきました。

これに対して、情報を発信する際には、

「正しい情報であるかどうか」

ということに気を付けなくてはなりません。

人から聞いた話やSNSで得た情報を

そのまま鵜呑みにして発信してしまうと、

情報の真偽に関係なく拡散されてしまいます。

もし誤った情報が広まってしまうと、

不安や不信感を与えかねません。また、

動画や画像の無断転載や、著作権、肖像権

といった点に気付かず、または無視して投稿してしまえば、

場合によっては訴えられる可能性も十分にあります。

さらには、

SNS上で話題になりたい、注目されたい、

といった感情が過剰になると、

不適切な行為や迷惑行為などを投稿して問題になる、

いわゆる「炎上」も発生します。

SNSが流行し始めてから、こういった

炎上動画や炎上投稿は数多く目にしてきましたが、

つい最近では、

迷惑行為の被害企業がついに訴訟に動き出したり、

逮捕者が出たりといった事態にまでなっています。

SNSで情報発信をする上でも、やはり

メディアリテラシー教育は必要不可欠です。

(パソコンソフトを使ってプレゼン資料を作成している様子)

 

情報が本当に正しいものなのかを精査して発信する事、

権利等について正しく学んでおくことは、

社会に出ていく上で非常に重要と言えます。

また、話題性を獲得したい、注目してほしい気持ちのために、

他人に迷惑をかけてもいいのか、

その行為はどんな影響をあたえる可能性があるのか、

ということに対して考えたり判断したりするのは、

メディアリテラシー以前にそもそもの一般常識

であることを、それぞれが認識・理解しておく必要があります。

以前にはできなかったことが手軽にできるようになった世の中においては、

心配する必要もなかったことに対しても心配をし、

対策を講じていかなければいけません。

特に、発達段階の途中にいる子どもたちが

安心して情報社会の中で生きていくには、

保護者や学校など大人たちによる

メディアリテラシー教育に加え、

マナーやモラル、一般常識を身につけていけるよう

学んでいける環境が必要です。

「そんなこともわからないの?」ではなく、

「そんな当たり前のことだからこそ、改めて」

という思いで伝えていき、

子どもも大人もSNSを安心して正しく利用していきたいですね。

以上、今回は情報発信に伴うメディアリテラシー教育の必要性

についてのブログでした。

メディアリテラシー教育の必要性②

こんにちは!NPO法人SeedsAPPの職員、伊藤です!

 

以前のブログで、危機管理に関する面を中心とした

メディアリテラシー教育の必要性

についてお話ししました。

メディアリテラシー教育の必要性➀

情報収集をするうえで、

ICT機器やインターネット等を

使用すること自体を問題視するのではなく、

子どもたちが情報を取捨選択し、

適切に活用できる能力を身につける必要がある、

と言えます。今回は、情報の活用の仕方をメインとした、

メディアリテラシー教育の必要性

についてお話ししたいと思います。

 

皆さんは、何か調べものをする際には、

何を利用することが多いでしょうか。

現代社会においては、第一に

インターネットが挙げられるでしょう。

スマートフォンやタブレット端末など、

持ち運びとデータ通信が可能な媒体があれば、

時間・場所を問わず必要な情報を集める

ことができます。

インターネットを利用して、調べたい語句を打ち込んで検索し、

それについて書かれた記事から必要な情報を得る、

というのが一般的なスタイルでしょう。しかし、

インターネット上に挙げられる情報の数は

日々増え続ける中、

何を持って「この情報が正しい」と判断するのかは、

子どもどころか大人でも難しい所ではあります。

掲載されている記事によっては、

全く別の内容が書いてあることもあり、

どの情報を選択すればよいのか迷ってしまう

のではないかと思います。

SNSなどで誤った情報が流され、

拡散されてしまうなどしたら、

世の中はパニックを起こしてしまうでしょう。

ここで必要なのも、やはり

メディアリテラシー(情報の真偽を見抜く力)

であると言えます。

膨大な情報があふれる現代において、

その情報を鵜呑みにするのではなく、

その情報の信ぴょう性を調べるほか、

なぜそのような情報が発信されたのか、

情報の出所を探すなども、

必要に応じて行う必要もあります。

また、調べた情報同士を比較して、

共通点や矛盾点を探したり、

根拠に基づいた情報であるかどうか

を調べたりすることも必要とされます。

 

学習指導要領においても、

学習指導におけるICT機器の活用

に関していくつも例示されています。

これは、ICT活用の目的によって、

「子どもたちの情報活用能力を育成するため」

「教科の学習目標を達成するため」

の2つに大きく分類されています。

(文部科学省:初等中等教育における学習指導でのICT活用より)

前回のブログで、危機管理に関する面でのメディアリテラシー教育に

ついて触れましたが、そもそも

ICT機器を何のために活用(所持)するのか、

どのように活用すべきなのかを、

発達の途中段階にいる子どもたちはもとより、

周囲の大人たちがそれをしっかりと理解し、

どれだけ的確に子どもたちに伝えること

ができるかが、非常に重要になってきます。

 

「友達が持っているから」

「これがあれば便利だから」

「インターネットに書いてあったから」

といった答えには要注意。

本来の目的、使用目的の明確化、

適切な使用と判断とったメディアリテラシー

を常に心がけることで、

ICT機器の持つ本来の力を有効に活用できるでしょう。

以上、情報の活用の仕方をメインとしたメディアリテラシー教育に

関するお話しでした。

メディアリテラシー教育の必要性①~ネットの危険から子どもを守る~

現代では、小中学生がスマートフォンを

所持している光景が珍しくありません。

膨大な情報の波と常に隣り合わせ

にいる状態は、世の中を便利にすると同時に

社会的な問題を生み出しています。

そこで今回は、子どもたちへの

メディアリテラシー教育の必要性

についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

近年、スマートフォンの普及や無料Wi-Fiなどの

インターネット環境の整備が進むことにより、

時間や場所を問わずして、

必要とする情報が得られる

ようになっています。それに加え、

LINEやFacebook、インスタグラムなどのSNSにより、

コミュニケーションツールの多様化

急速に進歩していると言えます。

また、デジタル教科書やeラーニング、学習アプリなどの

普及により、スマートフォンやパソコン・タブレット端末などの

ICT機器は、学習活動においても有効活用

されるようになっています。

 

 

 

 

 

日常生活・学習活動と、

子どもたちがICT機器を活用する場が増えていく中、

ICT機器が持つ危険性について、

子どもたちにどのような意識づけが行なわれている

のでしょうか。

ICT機器に関する危険の代表例としては、

SNSを通じたコミュニケーショントラブルです。

相手の顔が見えないこと、

文字を打ち込むだけで要件を伝えられることなどが災いし、

いじめなどに発展するケースが数多く報告されています。

それに加え、インターネット上で知り合った相手から

誹謗・中傷を受けたり、出会い系サイトなどで

未成年者が危険な目にあったりと、

様々な事件が発生していることも事実です。

 

 

 

 

 

 

 

誰も悪質な方法で使用することがなければ、

こうした問題や事件が発生することはないのですが、

現実問題としてそこに期待をすることは難しいでしょう。

そうした危険から身を守るためにも、

メディアリテラシー教育が必要なのです。

何をしたら危険かを理解できるかどうか、

そしてその危険な行為をしないこと(抑制)ができるか

どうかが大きなカギとなってきます。例えば、

・知らない人から連絡が来ても返事や会う約束をしない

・相手が不快になるような画像や悪口などを、

 SNS上に書き込んだり掲載したりしない

・もし被害にあったらすぐに家庭や学校・警察に相談する

などです。また、

発達の途中段階にいる子どもたちに、

メディアリテラシーが身についていない

と判断される場合にICT機器を使用させる際は、

使用にある程度制限を加える必要があります。方法としては、

・有害サイトへのアクセスを防ぐため、

 インターネットにフィルターをかける

・使用時間を制限する(朝〇〇時~夜〇〇時まで)

・家庭では保護者の、学校では教員の管理下で使用させる

などが挙げられるでしょう。

小学生がスマートフォンを所持していても、

何ら不思議でない現代社会において、

子どもたちを目に見えない危険から守るためにも、

周囲の大人たちがメディアリテラシーを身につけ、

子どもたちにそれを適切に伝える必要と義務

があると言えるでしょう。

以上、メディアリテラシーについてお話ししました。

イラスト:ニョラネコ

※メディアリテラシー:世の中にある様々な情報を読み解き、主体的に活用する能力のこと