これまでのブログで、
不登校に関する記事を何度か投稿してきました。
年々増加傾向にある不登校の児童生徒数に対し、国としても
不登校の児童生徒に教育が行き渡るようにするため、
いわゆる教育機会確保法の施行
などの動きを見せています。ここで気になるのは、
不登校は問題(課題)としてとらえるべきなのか、
とらえるとするならば「誰の」問題(課題)なのか、
という点です。
今回は、不登校について少し掘り下げて考えてみたいと思います。
不登校の定義や、
不登校の子どもたちの居場所・学び場としての
フリースクールについては、
これまでのブログでも解説してきました。
詳しい説明は省略しますが、
何らかの原因で学校に行かない、行きたくとも行けない状態
にあることが不登校と言われています。(詳細は、ブログ「不登校とは」より)
教育基本法第4条に、
「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う」
とあります。
九年の普通教育の内容に関しては、学校教育法にありますが、
「小学校6年間+中学校3年間=計9年間」
または「盲学校・聾学校・養護学校の小学部6年間+中学部3年間=9年間」
が相当します。子を持つ親は、
子どもを小・中学校に子どもを通わせる義務があることと同時に、
学校(学習すること)に必要性を感じている方も多いでしょう。
しかし、理由があって通えない(通わない)子を持つ保護者の立場としては、
複雑な胸中なのではないかと思います。
学校でしか得られない学びは数多くあることは間違いありません。
しかし、人間関係のトラブルや学業不振、いじめなど、
子どもたちを取り巻く多様な悩み・不安によって、
学校から足が遠のいてしまう子がいることも現実です。
その際、子どもが「不登校・学校に行かない」という選択をした要因は、
子どもを取り巻く環境にあるのではないかという見方を、
心に留めておく必要があります。
周囲からはその子への理解はあったか、
適正な支援・合理的配慮はなされていたかなど、
不登校を選択した、または選択せざるを得なかった要因を、
子どもの外側に目を向けてみることが大切です。
さらに視野を広げてみれば、芸術活動やスポーツなど、
自分の個性を最も輝かせる場所が
学校の外に見つかっていたり(またはそれを探したり)、
海外には自宅での学習が学校に認められる
「ホームスクーリング」という方法があったりと、
その子に合った学習方法やその子の居場所は、
必ずしも学校のみにあると言い切ることは難しいのかもしれません。
そう考えると、不登校は問題行動であると決めつけることはできないでしょう。
子どもの多様性を認めるのと同時に、学び方の多様性を認めることが、
現代社会に必要とされているのかもしれませんね。
今回は、不登校について少し深く掘り下げた内容のお話でした。
イラスト:ニョラネコ