前回の「フリースクールとは①」では、主にフリースクールとはどんなところかをご説明しましたが、
今回はフリースクールに通うことのメリットについてお話ししたいと思います。
学校から足が遠のく、いわゆる不登校の状態になってしまうと、
「早く学校に行かなきゃ」「欠席日数が多いと通知表が…」
など、不安も大きくなることでしょう。そんな折に、
「学校に通わずフリースクールに通っている場合じゃないのでは?」
と考える人も少なくないと思います。しかし、ご安心ください。
フリースクールの多くは小中学校と連携している場合が多く、
フリースクールに通った日は在籍している学校の出席として認めてもらえる
という制度もあります。
これは、フリースクール側がそこでの学習状況を学校に定期的に報告をし、一定の条件のもとに校長が認めた場合に限りますが、ほとんどの小・中学校が出席を認めています※1。ただし、義務教育を終えた高等学校は難しい場合もあります。
では、実際に通い始めるとした際、
「電車で何駅か離れている」「通学費だってかかるし…」
そんな心配もあることかと思います。しかし、上記のようにフリースクールと在籍している学校が連携をし、出席扱いが認められれば、
通学定期乗車券制度を使用することができる
のです※2。
登校するペースは、フリースクールと家庭で話し合い、本人の様子から見て総合的に考えることになりますが、
仮に週5日通うとしたら、これは使わない手はありません。
ただし、週に1日などスモールステップで始める場合などは、定期券を購入すると逆に高くつくこともあるのでご注意を。
そして、フリースクールの多くは少人数制であり、40人学級のような
大人数のクラスではなかなか目の届かない範囲まで、スタッフが目を配ることができます。
少人数であれば、集団が苦手な子どもでも安心して通うことができますね。
また、不登校になる背景には「発達障害」を抱えているケースも少なくありません。
少人数であれば、子どもたちの抱える特性によりきめ細やかな配慮が可能となるほか、
フリースクールの職員には
特別支援に関する専門知識を持った職員が在職していることも珍しくありません。
あとは、そのフリースクールが子どもに合うかどうかです。
前回も述べた通り、場所によって取り組みや規模は様々ですし、解決すべき課題も存在します。
今後は、いかにフリースクールと学校・教育委員会が、互いに連携しあう姿勢を積極的に作れるかが大切なのかもしれませんね。
以上、フリースクールに通うメリットについてお話ししました。
イラスト:ニョラネコ
※1「不登校への対応の在り方について」平成15年5月16日 文部科学省 通知
「高等学校における不登校生徒が学校外への公的機関や民間施設について相談・指導を受けている場合の対応について」平成21年3月12日 文部科学省 通知
※2「不登校児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」 平成21年3月27日 文部科学省 通知