【実施報告】第3回 不登校・発達障がいに関する研修会

9月9日(土)、地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)にて、

「第3回 不登校・発達障がいに関する研修会」を開催させていただきました。

 

 

 

 

 

今回は、藤沢市の特別支援学級の立ち上げなどにご尽力され、

校長先生としても教鞭をとっておられました、

入澤正樹先生をお招きし、ご高話頂きました。

 

 

 

 

 

午前は講義形式、午後はグループディスカッションと、ときには笑い(?)やアイスブレイクを取り入れながらの本研修。

 

 

 

 

 

 

朝から夕方までの長い時間をかけてのものになりましたが、

皆様にとって実りある時間となったようであれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

ご参加くださいました皆様、お忙しい中足を運んでいただき、誠にありがとうございます。

次回は10月29日(土)に開催を予定しております。

「参加してみたい!」「どんな研修なの?」「もう一度話を聞きたい!」

そんな方は、ぜひお問合せ下さい。

「学び方教室BB」大船教室オープン!

本日9月1日、「学び方教室BB 大船教室」をオープンいたしました。

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございます!

これからも、子どもたちにとってより良い学び場を作ってまいりたいと思います。

今後とも、ご協力よろしくお願いいたします!

皆さん、いつでも遊びに来てください♪

作文の書き方

夏休みも終わりが近づいてきましたね。

2学期制の学校は既に登校が開始しているところもあるかと思います。

皆さんは子どものころ、どのような夏休みを過ごしたでしょうか。

きっと楽しい思い出がたくさんあることかと思います。
同時に、宿題に苦戦した方も多いのではないでしょうか(笑)

特に苦戦する方が多いと言われる、読書感想文

今回は、夏休みにピッタリ?な

「作文の書き方のコツ」について

少しお話をしたいと思います。

 

「どの本を読んでも、いつも同じような感想文になってしまう」
「とにかく面倒だから、本の内容を書いて終わりにする」
このような経験談をよく耳にします。
読書感想文に限らず、作文を書くのが苦手という意見が多くあります。

しかし思い返してみれば、漢字の読み書きや計算の仕方を教わった記憶はあっても、

作文の書き方を詳しく教わった方というのは、実は少ないのではないでしょうか

作文や読書感想文を書くにあたってオーソドックスなパターンが、
①どこに行った(何を読んだ)
②何をした(本のあらすじ)
③何を感じた
④楽しかったです
という形。
実際に書いてみると、②の割合が8割近くなることが多いように感じます。

こうなると、どんな本だったのかを紹介した文になり、

作文や感想文を書くことの意図から少し離れてしまいます。

では、具体的にどのような書き方をすれば良いのでしょうか。

実は、ちょっとした工夫(手助け)を加えると、作文の内容の幅が広がるのです

【何をしたか(本のあらすじ)のまとめ方の工夫】
×起きた内容(本の内容)をほとんど全部書いて(写して)しまう
〇一度図解にして、どこが重要か、何を伝えたいかを見てみる
→頭の中にある記憶を思い返すと、時系列に沿って全部書きたくなってしまう

 気持ちが出てしまいがちです。図にしてみて、

 「ここと、ここと、これについて書こう」とポイントをいくつかピックアップしてみましょう。

【何を感じたか】
×「楽しかったです」「面白かったです」ばかりになってしまう
〇「今までで一番」「まるで〇〇みたいでした」と、表現に変化や比喩を加える
→「どうだった?」と聞いたとき、「おもしろかった!」で終わらせず、
「どんなところが?」「どんなふうに笑った?」「なんだか〇〇に似てるね」

「それを見て、何かしたくなったりした?」など、質問のバリエーションを増やしてみましょう。

【その他、表現の仕方の工夫】
例⑴ おもしろかった
…みんなに教えたいと思った、ゲームをするのを忘れてしまった、

気づいたら1日が終わっていた、何度も読み返してしまった、自分も〇〇みたいになりたいと思った、など…
例⑵ すごい、と思った
…かっこいいと思った、あこがれた、すてき、最高、こんな人(本、ものetc…)初めて、

衝撃的、考え方が変わった、自分にはできないと思った、など…

 

作文や感想文を書くことで、
・読んだ内容や経験を記憶や知識として処理する
・経験や記憶、感情を正しく伝える
・経験や記憶、記憶をより詳しく伝えるために、表現の方法を変化させる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から考えられる予測を立てる
・「もし~だったら」といった、経験と知識から現実世界にはない想像を膨らませる
などの学習効果が期待できると言えます。

さまざまな経験や活字(文章)を読むことは、脳を活性化させてくれます。
「なぜ?」「どんなふうに?」と、いつもより少しだけ詳しく聞いてみて、

ちょっとだけ手助けをしてみることで、子どもたちの感性がより磨かれるかもしれません。

もしよければ、試してみてください。

 

イラスト:ニョラネコ

外国籍にルーツを持つ子どもと発達障害の関係性

これまで、さまざまな種類の発達障害について解説してきました。

発達障害を抱えることで、生きづらさや学びづらさを感じている人は多くいることでしょう。

当然のことながら、発達障害は日本人だけが抱えるものではなく、

世界中でも同じ特性を持つ方は数多く存在します。

そんな中、現代の教育界が抱える課題の一つに、

「外国にルーツのある子どもへの学習支援」があります。

家族の仕事の都合などにより日本へと移住した子どもが、

日本の学校で他の日本人と同じように学校教育を受けるというのは、

日本語の習得状況や文化の違いから、

なかなか最初から上手く進まないことがあると言われています。

そうした課題の解消に向けて、

外国にルーツのある子どもたちへの学習支援を行うNPO等の

団体は数多く存在し、救われている子どもたちも多くいます。

しかし、思うように学習が進まず、困難を感じている子どもや支援者がいることも、

現実問題として挙げられていると聞きます。

その場合、「なぜ学習が思うように進まないのか」という課題に対し、

「発達障害を抱えているのでは」という疑問を持つケースがあるようです。

前述したとおり、発達障害は日本だけでなく海外にも存在しています。

確かに、「学習に困難=発達障害では」というのも、一つの可能性であると言えるでしょう。

しかし、そうでないケースも考えられる場合もあります。

たとえばその子どもが、

日本語を学習していてもなかなか覚えることができない、

といった場合、

「母国での学習状況」も確認する必要があると言えるでしょう。

外国にルーツのある子どもの中には、経済的・社会的な背景により、

母国で満足に教育を受けられることができなかった(不就学)、

というケースもあると言います。

仮に、13歳の子どもが母国での教育を受けていない状態で来日した場合、

日本語で中学1年生の勉強をしようとしても、

そもそもの学習のベースや概念がないため理解できない

というケースも考えられます。その場合、

どこまでの知識がありどこまでなら理解できるのかを探る必要があります。

発達障害の可能性があるとして、

特別支援級で個別の支援を受けた外国籍ルーツの子どもが、

あっという間に知識を習得し、

日本の同年代の子どもたちと同様に学ぶことができるようになった

というケースもあります。

もし学習に困難を抱えている場合は、

母国での学習状況や現在の学習到達度を把握し、

その子に合ったレベルや方法で学習支援をスタートすることが良いでしょう。

また、それでもなかなか身につかなかったり、特性のある行動が目立ったりするなどの場合は、

必要に応じて医療機関に相談するのも良いかもしれません。

やはり、まずはその子どもが何に対して、

どこで困っているのかを理解していくことが大切ですね。

 

以上、外国籍にルーツを持つ子どもと発達障害の関係性についてのお話でした。

 

 

イラスト:ニョラネコ

通信制高校・技能連携校とは

以前のブログで、高校の種類について解説しました。

平成28年度の高校進学率は、98.7%に上ります。

そのうち、全日制高校への進学率は96.6%となっています。

つまり、高校進学者のほとんどが全日制高校へ進学している、

という結果になります。

しかし、不登校経験者や、発達障害を抱えている生徒の多くは、

「集団が苦手」

「授業についていけない」

「通学のリズムが整えられるか不安」

などの悩みを抱えていることが多く、

全日制の高校にはなかなかマッチしない傾向があります。

そこで今回は、多様なニーズに応える「通信制高校・技能連携校」について解説したいと思います。

 

通信制高校では、

学校に3年以上在籍し必要単位数74単位を修得すれば、

全日制の過程と同じ高校卒業資格が取得できます。

ただし、最終学年に達した時点で、必要単位数の不足があると卒業できずに留年

することになります。

なお通信制高校には、広域制狭域制があります。

  • 広域制…他県から等、広い範囲から入学できる。私立の多くは広域制だが、狭域制もある。
  • 狭域制…狭い範囲(一つの都道府県もしくは隣接する1つの都道府県からのみ)からのみの入学となる。公立高校は、全て狭域制となる。

通信制の学校で単位を修得するには

RST(R:レポート、S:スクーリング(面接指導)、T:テストの3つ)が必要

になります。

レポートやスクーリングは教科によって

その枚数や時間が決まっていてそれを満たすことが必要です。

しかし、レポートやテストを一人でどんどんこなしていければ良いのですが、

そう簡単なことではありません

そこでサポート体制として、現在では全日制のように毎日登校できたり、

登校日数を選べたりする通信制の学校もあります。

スポーツや芸術に特化したり、不登校や発達障害に対する理解や支援があったりと、

多彩かつユニークなカリキュラムが組まれ、

生徒たちの興味関心に応じるように工夫がされてきています。

また、通信制の学校と連携をして高校卒業資格が取得できる

技能連携校という教育施設があります。

技能連携校とは、都道府県教育委員会に指定された教育施設です。

通信制の学校に同時入学という形をとり、

工業や商業などの専門科目と普通科目の両方を学ぶことになります。

ここで面白い所が、

専門科目の修得単位が通信制の学校の単位として認められ、

普通科目と合わせて74単位を修得すれば高校卒業ができる、

という仕組みです。

全日制同様、週5日登校のところがほとんどで、

柔軟なカリキュラムのもとで社会進出に向けた学習活動を行なっています。

なお、技能連携校は教育施設として正式に認めらており、

施設内でスクーリングやテストを受験することも可能です。

これら通信制高校や技能連携校は少人数制であることも多いため、

不登校や発達障害を抱えた生徒へのケアや手厚いサポートが可能

な校舎も多くあると聞きます。

登校に不安や悩みがある場合は、一つの選択肢として視野に入れておくと良いかもしれせん。

高校の種類だけでもある程度把握できれば、納得のいく進路選択・実現ができるかもしれませんね。

以上、通信制高校・技能連携校について解説しました。

 

 

イラスト:ニョラネコ

高校の種類について

夏休みも半ばを過ぎ、いよいよ新学期ですね。

中学3年生にとっては、卒業後の進路に向けて

本格的に活動していく時期かと思います。

小学校から中学校へと進んだ後に選ぶ進路として、

最も多く選択されているのは「高校進学」。

平成28年度の高等学校等への進学率は98.7%という数字に達しており、

中学卒業=高校進学という考え方が、現代ではかなり浸透していると言えます。

そこで今回は、高校の種類について解説したいと思います。

通常、進学する高校を選ぶ際には、

学力、校風、卒業後の進路状況から選んだ本人の希望と、

家庭及び学校とで相談・面談を重ねながら判断することになります。

過去と比較すると、現在世の中の多様な価値観や生き方に応えるべく

々な形態の学校が存在しており、

子どもの状況に応じたカリキュラムが組まれるなどの

配慮もされてきています。

それぞれの学校の特徴を知った上で納得の進路が決められることが

一番良いことだと思います。

高校には、大きく分けて

全日制、定時制、通信制

の3種類があります。(以下に簡単に説明をします。)

●全日制高校
・一番馴染みのある高校と言える。3年制
・授業は1コマ50分、1日6~7時間の週5~6日
・朝登校、夕方下校
・勉強をメインに考えている生徒が多い

●定時制高校
・卒業までは基本4年間かかる
・授業は1コマ45分、1日4時間が主流
・夜間部が主流だったが、現在は午前部、午後部もある
・働きながら通う生徒が多い

●通信制高校
・基本は3年間で高校卒業資格を取得する
・授業は年に数回。基本は自宅でレポートに励む
・登校日数を選べる通信制高校が増えている
・勉強以外にもやりたいことがある、集団や通学に不安がある生徒が多い傾向にある

 

学校の種類による違いは、大まかに説明するとこうなります。
いざ高校を選ぶとなると、
「どの高校が自分に合っているのだろう」
「自分に行ける高校があるのだろうか」
といった不安を抱える人もいるかもしれません。


同様に、我が子の状況を見て、

どこが良いか、何をすれば良いか

悩む保護者の方も多いと思います。
学校の種類による特徴はあっても、学校によって雰囲気や特色は異なりますので
まずは情報を収集したり、自分の目で確かめたりしながら、
進学したい高校を選択することが良いでしょう。

高校生活は、中学生活に比べてとても速いスピードで「社会」が近づいてきます。
進みたい進路や将来像がはっきりと決まっている人もそうでない人も、
責任ある選択ができるように準備を整えていきたいですね。

次回以降、「高校」についてさらに深く掘り下げてみたいと思います。

 

 

イラスト:ニョラネコ

 

学び方教室BB説明会の実施について

弊団体の運営する「学び方教室BB」が、9月にプレオープンすることとなりました。

それに伴いまして、8月26日(土)、「学び方教室BBの説明会」を行ないます。

詳細は以下の通りとなりますので、ご興味ご関心をお持ちの方はぜひご参加いただければと思います。

ご不明点・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願いいたします。

 

【学び方教室BB説明会】

・日 時:8月26日(土)

 ⑴10:00~11:00

 ⑵13:00~14:00

※どちらの時間も、終了後に個別相談の時間を設けております。ご希望の方はお申し出ください。

・場 所:地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)1階研修室

     JR本郷台駅より徒歩3分

・費 用:無料

・定 員:30名(定員になり次第締め切り)

・申込み:ご希望の時間帯をお選びの上、HPまたはお電話にてお申込みください。

 

 

第3回 不登校・発達障害に関する研修会実施について

●目的:①不登校や発達障がいの基本的な知識や支援方法を学ぶ

     ②適切な支援方法の創造力とチームでの探求力を養う

●内容:午前…基礎講座 オリジナルテキストを使用した講義・解説

     午後…応用講座 グループディスカッションによる事例学習

●対象:大学生(教育・医療・心理関係)、家庭教師、塾講師、保護者、シニアなど

●日時:平成29年9月9日(土)10:00~15:00

●場所:地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)研修室

●費用:一般…3,000円 学生…無料

●申込:HPお問い合わせフォームより

https://seeds-app.com/

 

以上の内容で研修を行ないます。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

LDとは②

前回は、LD(学習障害、以下LD)の特徴について説明しました。

こうした特性を抱えていても、対応や学び方を工夫することで、

症状を少しずつ改善したり、学びやすくしたりすることは可能です。

今回は、LDの子どもへの配慮や対応の仕方について解説していきます。

 

・「読む・書く」の困難について

→文字の拡大やマス目のノートの使用など、

読み(書き)やすくする工夫をする

×「とにかく書いて(読んで)覚えましょう」

〇読み・・・単語と単語の間を空ける、行間を広くする、など

 書き・・・大きいマス目のあるノートを使う、ノートの代わりにタブレットを使う、など

…小さい文字や潰れた文字は大きく拡大することで、読みやすさが飛躍的にアップします。

 読む・書くこと自体も大切ですが、「知識を活用できるようになること」が一番大切です。

 

・「聞く・話す」の困難について

→会話は短く端的に。メモや機器を使って

聞き(話し)やすくする工夫をする

×ざわざわした環境での会話、長い説明など

〇静かな環境で話をする、メモやボイスレコーダーなど聞き(見)返せるようにする

…メモを取る習慣は、大人になっても有効ですね。話がまとまらないときは、聞き手側がある程度リードしつつ、話の順序立てをスモールステップで教えてあげると良いでしょう。

 

・「計算・推論」の困難について

→目で見て、イメージしやすくする

×「この問題はここがこうなるよね、じゃあ次は…」

〇問題にイラストなどを添える、解説動画を見せる、など

…図のように、ひっ算の補助線を引くことで、どの数字がどこに来るかが整理しやすくなります。

 

などなど。

現代では、スマートフォンやタブレットなどのICT機器の普及が進み、さまざまな場面で

学習の補助ツールとしてICT機器は活用されています。(後日解説)

カメラやタイピングなど、ICT機器は生活の場面だけでなく

LDの子どもたちにとっても非常に有効に

活用できる機能は数多く搭載されていますので、

必要に応じて学習活動に取り入れてみると良いでしょう。

その他、スウェーデンで開発された

ワーキングメモリ(短期記憶)トレーニングの研究では、

ワーキングメモリの改善とともに、知能など他の認知機能の改善、

不注意や多動など行動・症状面の改善効果があることが証明

されており、こちらを活用するのも有効かもしれません。

しかしながら、これらは決して1回だけでは効果は表れるとは言えません。

改善への道には、継続的な取り組みが不可欠です。

効果が出るまで、その子に合った方法で、長い目で支援する必要があります。

また、LDによる困難があるからといって、

なんでもかんでもやってあげることが

必ずしも子どもにとって良いとは限りません。

場合によっては、社会自立への道から遠ざかってしまう…そんな懸念もあるからです。

社会で生きていくために、本人に合った学び方を身につけ、

少しずつできることを増やしていけると良いですね。

 

以上、LDの子どもへの配慮や対応の仕方について解説しました。

 

 

イラスト:ニョラネコ

【実施報告】7月29日(土)「第2回 不登校・発達障がいに関する研修会」

7月29日(土)、不登校・発達障がいに関する研修会を開催しました。

大学院生、保護者、教員経験者など、子どもたちと関わる多くの方々にご参加いただきました。

午前の部の講義形式に午後の部のグループディスカッションと、

ボリューム満点の研修に、参加者の皆さんは積極的に意見交換をしながら参加していました。

 

「色々な立場の人と意見を交わすことができ、今までにない視点に気付けた」

「今回学んだことを、家庭での子どもとの関わりに生かしたい」

などの意見を多くいただき、大変うれしく思います。

皆様にとって、充実した研修となったなら幸いです。

また、我々にとっても多くの気づきが生まれた研修となりました。

本研修へのご参加、ありがとうございました。